【必聴】Maggie Rogers(マギー・ロジャース)|『Blood Ballet』

Maggie Rogers

本日は、Maggie Rogers記事の第二弾として、彼女のセカンドアルバム『Blood Ballet』をご紹介します。

これは彼女が大学2年時のニューヨーク大学に通っていたときに、レーベルに頼らずに自主制作したものですが、侮ることなかれ。

アルバムを聴いてもらえれば、レーベルと契約しなかったのにも納得します。

彼女の歌唱力、作曲力、ワードセンス、そしてプロデュース力に至るまで、このアルバムでぜひ体感してもらえたらと思います

この記事でわかること

・このアルバムの背景にあるもの
・各トラックの紹介と特徴

¥2,171 (2021/12/20 20:07時点 | Amazon調べ)

このアルバムの背景にあるもの

このアルバムは、マギーの友人であるSamuel Ives Crossとの思い出を綴ったものです。

Samuelさんは有名人ではなく、マギーのお友だちです。

彼はマギーに曲を書くこと薦めた人物で、彼の存在がなかったら今の人生はなかったとマギーは語っています。

残念ながら、彼は2013年に18歳という若さで亡くなってしまい、マギーはその約1年後に彼との思い出を込めた『Blood Ballet』を発表することにしました。


すべての曲が彼との思い出かどうかは定かではありませんが、全曲を聴いて歌詞を解釈した限り、少なくともアルバム名と同タイトルの「Bad Blood」については彼のことについて語っているものだと思われます。

2ndアルバム『Blood Ballet』 (2014年7月2日リリース)

収録曲

1.Resonant Body 03:22
2.James 04:26
3.Drift 03:05
4.Blood Ballet 04:23
5.Little Joys 03:53
6.Good Heart 03:05
7.Anybody 03:15
8.On The Page 03:21
9.Symmetry 02:52
10.Drift Demo (Bonus track) 03:16

Resonant Body

Resonant Bodyとは?

resonantは「鳴り響く、共鳴を起こす、反響する」という意味の単語。

そしてresonantの同義語といえば、echoing。

1つ前の初アルバム『The Echo』とのつながりを持たせるために、意図的にこの曲を1曲目に持ってきているのだと思います。

自身で作詞も作曲も行う彼女自身のことをこの曲で体現しています。

James

Maybe you found a far prettier lover
Maybe you’ll paint her a picture like you did for me

Maggie Rogers

(おそらく私よりうんと可愛い恋人を見つけたんでしょう/私にしたように彼女の肖像画を描くんでしょう)

上記の歌詞から読み取れるように、「あなた」との別れを歌った曲だと推測しました。

でも、歌詞からも歌声からも、喪失感や恨みや嫌味っぽさといった感情は感じ取れず、「あなた」のことをいい思い出として語っているように感じます。

例えば、Jamesについてこんな風に語っています。

Neverland smileとは?

You color your world with that Neverland smile

Maggie Rogers

(あなたはそのネバーランド級の笑顔で自分の世界を彩るのね)

Jamesに対して、まだ好意を抱いていて未練があるようにも受け取れる歌詞です。

Neverland smileはマギーの造語ですが、子どものように無邪気で屈託のない笑顔なのではないかと想像します。

ちなみに、ネバーランドの生みの親、『ピーターパン』の作者は、奇しくもジェームス・マシュー・バリー(James Matthew Barrie)。

ネバーランドを歌詞に入れたのも意図的ではないかと勘ぐってしまいます。

Drift

『James』に続き、こちらも「あなた」のことを忘れられないといった心情が綴られた曲。

Hold me when the snow begins to drift

Maggie Rogers

(雪が舞い始めたら抱きしめて)

彼女の元を離れていった「あなた」に対し、雪が降り出し人肌恋しい冬がやってきたら、自分のもとに戻ってきてほしいと切に願う素直な気持ちが歌詞に表れています。

Blood Ballet

タイトルから想像できないほどの美しい曲。

何も加工を加えておらず、彼女の声とアコギのみで構成されているこの楽曲は、歌というより語りや日記と表現したほうがいいのかもしれません。

bloodの意味でまず浮かぶのが「血液」という意味ですが、辞書で調べてみると、「生命力、活力」という意味もありました。

この歌詞では後者の意味が適切に思えます。

日本語に、体中の血液が沸き上がり感情が高ぶる様子のことを「血沸き肉躍る」と言いますが、言葉をもじればこの曲は「血沸きバレエ踊る」です。

Little Joys

littleの前にaが付いてa little joysだったら、「少しの喜び」という意味ですが、ここでは冠詞が付いていないので「喜びがほとんどない」ということになります。

I’m a big mess of little joys

Maggie Rogers

喜びがほぼなくなりひどく混乱した結果、世界の見え方が変わってしまった様子が、”My blue eyes are wrapped in grey”(私の青い目が灰色に覆われている)や”a humid heart”(湿ったハート)に表れています。

Good Heart

good heartは、「心根の優しい、寛大な」という意味で、不安を感じるマギーに対して安心させようとする「あなた」の優しさが伝わる歌詞です。

Anybody

ネガティブなニュアンスを含んで使われる単語anybody。

「不特定多数の誰か」を表す単語ですが、この曲を聴くと「自分は何者なのか」「唯一無二の存在とは何なのか」について考えさせられます。

On the Page

北へ飛ぶ渡り鳥と自分を重ね合わせる歌詞から始まる印象的な曲。

「あなた」の人生のページに(on the page)「私」のことが書いてあったらどれほど安心できるだろうかと思いつつ、渡り鳥として飛び立たねばならない抗えない運命を感じさせる歌詞です。

Symmetry

マギーの曲には珍しいピアノのみの一曲。

けんかや言い争いをする必要はないと説くこの歌詞は、タイトルの「対称(symmetry)」という意味から読み取れるように、お互いはフィフティフィフティであり、どちらが正しくどちらが間違っているとか、どちらが優れていてどちらが劣っているとかはない、と心を落ち着かせ冷静な判断に導いてくれる曲です。

最後に

「自然」や「動物」、「生まれ育った場所」に対して綴られた1stアルバム『The Echo』とがらりと内容が変わり、この2ndアルバム『Blood Ballet』は、「人」にフォーカスを当てたアルバムでした。

次回は、マギー・ロジャースの第三弾。

レーベルと契約を果たし、自主制作アルバムとはひと味違うさらにレベルアップしたアルバム『Heard It in a Past Life』(2019)をご紹介します。

お楽しみに!

第三部

コメント

タイトルとURLをコピーしました