Lorde(ロード) Ribs【解説】大人になることは、こわい

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Lorde-Ribs Lorde

“Ribs”とは英語で「あばら骨」のことを表します。「リブステーキ」などのことばに使われる「リブ」です。
「あばら骨」についての歌とは、一体どんな内容なんでしょう?決してホラーソングではありませんよ。
現役翻訳者が歌詞の意味や英語表現を解説します。
どこで「あばら骨」が出てくるか楽しみに読んでみてください。

この曲はこんな人にオススメ

歳を取ることに不安や怖れを感じているすべての方へ。

この曲を聴くと共感できることはもちろんのこと、腹を抱えて親友と笑いあった頃のことや、10代の青春時代の思い出がフラッシュバックしてくるような不思議な気分になります。

歌詞の解釈

Verse 1

「私(I)」と「あなた(you)」を家に残したまま両親が出かけているようです。
大人が必要ないほどの年齢に達していることの表れです。

「あなた」は「私」に飲み物をぶちまけた、と歌詞にありますが、二人きりでとんでもなく緊張している様子が読み取れます。バックグラウンドでは『Lover’s Spit』がリピート再生されています。この曲の意味は後述します。

家には両親がおらず、二人きり。この二人が友だちなのか恋人なのかは置いておいて、普通子どもたちだけで、家を独占できたらうれしいですよね?

でも、ロードは年を取ることを恐れています。

“Lover’s Spit”とは何を指す?

Broken Social Scene(ブロークン・ソーシャル・シーン)の曲『Lover’s Spit』に、次の歌詞があります。

You know it’s time that we grow old and do some shit
(歳をとって馬鹿げたことをやるときがきた)

Broken Social Scene -Lover’s Spit-

“do some shit”とはどんな意味が含まれているでしょう。”lover’s spit”の意味が鍵です。直訳すると「愛の唾」。転じて「ディープキス」のことを表しています。大人になること=性的な体験をすることにつながっています。

Pre-Chorus

「私たち」は流れ的に、前述の「私」と「あなた」のことでしょう。

「私たち」なら「それ(it)」をじっくり話し合える、と歌詞にありますが、itは何を指すでしょうか。
おそらく、年を取ることでしょう。

「私たち」ならこのまま成長して大人になっていっても素晴らしいものにできる、そうなることを心から願っている、と歌っています。

ここで注目したいのが、hopeではなくwishが使われているということです。wishだと現実的に実現することが難しいことを望むときに使う単語です。将来どうなっていくのかの不透明感や不安が、このwishには込められているのではないかと思います。

Verse 2

子どもの頃は大人になることに、どれほど憧れを抱いていましたか?
大人になるということは、好きなものを買ったり食べたりできますし、自由にどこへでも行くことができます。

歌詞に出てくる「ドリーム/夢」はそんな理想の大人像を表しているのかもしれません。
でも、いざ自分が年を取っていくと「ん?この夢は全く甘くないぞ…大人になりたくない。年を取りたくない」となるわけです。

「真夜中の通りをよろめきながら抜けていく」と歌う箇所があります。子どもから見れば、大人の世界は分からないことだらけ。真夜中の通りくらい、何も見えずに闇に包まれています。恐怖です。独り取り残される感じがして嫌です。

Bridge

かつて抱いていた感情を取り戻したいと「私」は必死です。

かつて抱いていた感情とは、何でしょうか?
Verse2で綴られている「大人への憧れ」かもしれません。でもそれだけでは、どうやらなさそうです。
最後のRefrainパートに書かれています。

Refrain

「あなた」は「私」に必要なたった一人の友だち、だと歌っています。
最初の歌詞に出てきた二人の関係が、ようやく分かりました。

おそらく二人は異性の幼馴染。子どもの頃はベッドをシェアしたり、あばら(Ribs)が痛くなるまで笑いあったり、と親友だったのでしょう。

でも、やがて二人は成長し、思春期を迎えます。異性として意識し始めます。
両親のいない家で、キスをした(Lover’s Spitが比喩)と考えると、「あなた」が動揺して飲み物をぶちまけるのも、合点がいきます。

ずっと友だち同士でいたいのに。子どもの頃のような純粋に笑いあっていた頃の感情を取り戻したい。

ロードの歌う「大人になんかなりたくない」には、友情と恋愛で揺れ動く切ない感情が込められています。

まとめ

子どもの頃は大人への憧れが強く、早く大人になりたいと思っていました。

しかしいざ歳をとって大人になってみると、何の責任も持たずに友だちと遊んだり、あばらが痛くなるまで笑い合ったりする日々ってなんて幸せだったのだろうと思います。

歳をとることは避けられませんが、この曲を聴くことで、10代の頃の大切な思い出が何度でも思い返せます。

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