Lorde「Team」【考察】仲間外れにはしない

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Lorde-Team Lorde

Lordeの「Team」とは一体どんな曲なのでしょうか。

ロード率いるチームには一体どんな人がいて、何が目的なのでしょうか。

それぞれの歌詞パートで何が綴られているのか、考察します。

この曲はこんな人にオススメ

多感な10代の方は、絶対に聴いてほしい曲です。

10代でなくても、自分の見た目に劣等感を抱いている人にもオススメです。

そんな人たちのために、ロードは同じチームの代弁者として寄り添ってくれます。

Intro【考察】中世の王室を思わせる始まり

女王がいて、女王の玉座のそばには頭の賢そうな猟犬(hound)がおとなしく座っている。

そんな映像が頭に浮かんでくるはじまりです。

このIntroでは、≪You(あなた)≫、≪We(私たち)≫、≪She(彼女)≫の3つの人称名詞が登場します。

それぞれの関係性を確認しておきましょう。

まず、歌詞の内容をまとめると…
≪あなた≫…お呼びがかかるまで待っている
≪私たち≫…まだ気品を失っていない(※”まだ(not yet)”という含みを持たせている点、注目)
≪彼女≫…≪あなた≫の偉大さを傍観すれば、招待してくれる

「傍観」や「招待」と言う表現から、≪彼女≫は明らかに≪あなた≫や≪私たち≫とは身分の違う、それも階級が上の人物だと特定できます。つまり、女王様のことですね。

≪あなた≫や≪私たち≫は、自分たちの偉大さを示して女王様の許可が出ない限りは、≪彼女≫に謁見できない、一般庶民ということです。

このIntroでは、まだ≪I(私=ロード)≫が登場しませんが、≪私たち≫に含まれていると思われます。

果たして、≪あなた≫や≪私たち≫は宮殿に招待されるのでしょうか?

Verse 1【考察】王室に招かれたのは、対照的な2グループ

王室にまず招かれたのは、≪淑女たち(ladies)≫。

彼女たちは美しい装いで、首元にたくさんの宝石を身に着け、あろうことか歯にもたくさんのジュエリーを付けています。

ロードを一躍有名にした「Royals」には”Gold teeth(金歯)”という歌詞が登場し、金遣いの荒いぶっ飛んだ人たちのことを皮肉っています。

この部分も同様に、宝石をじゃらじゃら付けている人たちに対しての皮肉を感じます。

そのあとに招かれたのが、≪私の男友だち(my boys)≫。

ロードの友だちの95%は男の子だそうで、ここは「彼氏たち」ではなく「男友だち」を指していると考えてよさそうです。

そんな彼らの肌は、月のようなクレーター肌。

しかし、そんな月の肌を持つ≪彼ら≫だからこそ、輝く光で部屋を照らし、兄弟のように愛すべき存在なのです。

淑女たちはキラキラ光る宝石という物を使って自分たちを着飾り煌びやかに見せていますが、彼女たち自身がキラキラと光り輝いているとは言っていません。

一方でクレーター肌の男の子たち(=月)は自ら光り輝き、部屋を明るく照らしているのです。

このVerse1では、≪淑女たち≫と≪男友だち≫の対比表現が見事です。

宝石を身に着け美しい身なりの淑女たちに対し、ロードを筆頭とする男の子チームはにきび面。

さんさんと照り輝く太陽の下を堂々と歩ける女の子たちと、月のようなクレーター肌の男の子たち。

性別の対比はもちろん、富裕層と一般庶民層との対比であり、太陽と月との対比でもあります。

Pre-Chorus【考察】気品はどこへ行った?

このPre-Chorusの主役はIntroで登場した「まだ気品を失っていない≪私たち≫」。

この歌詞パートでは、気品という言葉とはかけ離れた行動をとっています。

自分たちのつく嘘をうやむやにしたり、踊りまわったり、ひどく酔っぱらったりしています。

一体、何が起きたのでしょうか?

その謎を解くカギは、big eyesです。

big eyesには、「欲しいものを手に入れようと懇願するような目」という意味があります。

big eyes: A longing and/or pleading look, often in an attempt to get what one wants.

The free Dictionary

女王に謁見するため、言い方を変えれば、淑女たちのような富裕層の仲間に入れてもらおうと、歌詞の序盤では気品を保っていました。

しかし、いざ王室に入ると何かが違うと思ったのでしょう。

この辺りの内容は、「Royals」と非常に類似しています。
高級なものへの憧れはあるけれど、私たちは決して王族にはなれない。だって血統が違うから。だから自分たちなりの巣をつくり、その中で統治者、女王蜂にならせて。そう歌っているのが「Royals」です。

ここも同様に、王室や淑女たちの身に着けるジュエリーに憧れはあるものの、そんな欲望を酔いつぶれることでうやむやにしようとする、心の葛藤が感じられます。

Chorus【考察】自分たちの居場所とやり方で

「Royals」で”私は自分の住所が誇らしくない”と歌っていますが、「Team」のChorusでも”私たちの街は決してスクリーンに出てこない”と歌っています。

“とても素敵な場所とは言えないけれど、それでも≪私たち≫は物事の決め方・取り仕切り方はよく知っている”と王室への憧れは脇に置いて、自分たちの居場所でやっていこうとする強い意志を感じられます。

それでも王室への憧れが頭の隅に残っているせいか、”≪私たち≫は≪私≫の夢に出てくる宮殿の廃墟で暮らしている”と、王室への執着がぬぐい切れていないところが、魅力的なポイントです。

Post-Chorus【考察】一人の崇拝者に右倣えってどうなの?

音楽ライブに行ったら、多くのアーティストが観客に向けて「両手を挙げて」と言っていますよね。

みんなで両手を上げることで一体感が生まれ、それはまるで1つの同じチームのようです。

しかし、ロードはステージの上に立つ人の一声でみんなが従うということに対して疑念と戸惑いを感じ始めているようです。

Verse 2【考察】ロード率いるチームが求めているもの

コップがすべて割れてしまい、その破片が足元に散らばっている、カオスな状況描写がされています。

これは物質主義からの解放と捉えることができます。

ロードのチームが求めているのは、高級品に囲まれた生活でもなく、相手より高いポジションを取って手を挙げるように促すことでもなく、誰かと競い合うことでもない。

ロードが目指すチームは、それらからの「解放」だったことがここで分かります。

さいごに

ロードはインタビューでこう語っています。

「10代はとても素晴らしいけど、誰も自分たちのことを理解してくれないとイラついてしまう。だから私が代弁者となって、どんなクレイジーな事があっても、君たちのことを蔑ろにしたりしないということをこの曲で伝えたい」

この歌詞を深堀りしてみて分かるように、特にある10代に寄り添ってくれています。

それは、顔にニキビがあって劣等感を抱いているような人たちのことです。

この曲を知り歌詞を知ったことで、どれだけのクレーター肌の人たちが救われたことでしょう。

私もその1人。

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