Maroon 5(マルーン5)「Sugar」の2つの疑問を解き明かす

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Maroon 5
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砂糖、英名Sugar(シュガー)はコカインの8倍の中毒性がある、マイルドドラッグである。

甘いし美味しいからといって、侮ってはいけない。依存度は半端ない。

そんな砂糖と同じ名前が付けられた、Maroon 5(マルーン5)の「Sugar」。

どんな曲なのか私なりの解釈で説明すると、「相手への依存度の高い語り手が、そばにいてほしい・愛してほしい・君のシュガーが欲しいといった欲望を懇願する」曲です。

ブルーノ・マーズの「Marry You」しかり、この曲は定番のウェディングソングとして親しまれています。
とくにこの曲のMV/PVは、結婚式中にマルーン5がサプライズ登場する動画なので、結婚式にちなんだ歌詞なのかと思っている人も多いのではないかと思います。

動画が与える結婚式の印象が強く残る作品ですが、歌詞にはウェディング(結婚式)の「ウ」の字も、マリッジの「マ」の字も出てきません。

ウエディングソングというよりも、相手からの愛に飢え、相手がいないと穏やかでなくなってしまう、相手依存度の高いラブソングです。
全体的な歌詞の甘さと、その節々に見え隠れする相手への固執と依存。

砂糖のいい面と恐ろしい面の両方の性質を持ち合わせているから、この曲は「Sugar」と命名されたのだと捉えました。

この記事では、この歌詞を読み込んで生まれた疑問についてこの記事で解き明かしたいと思います。

この記事のコンテンツと問題提起

・Sugarとは何のメタファーなのか?
・I need your loving.は「君の愛がほしい」ではない?! I need your loveとの違いを解説

【疑問1】Sugarの持つ意味は?

この曲で使われているSugarはどんな意味をはらんでいるのでしょうか?

いろんな解釈ができるのが歌詞の魅力です。
ここではsugarを「your body(あなたの体)」と解釈しました。
歌詞のどこでsugarが使われているかに着目して、その理由を紹介したいと思います。

●コーラス(サビ)にて
歌詞で最初に登場するSugarは、次のようなカフェでのよくあるやり取りをなぞっています。

「お砂糖入れますか?(sugar?)」
「はい、お願いします(Yes, please)」

注目したいのは、次の展開。
「こっちに来て、砂糖を私の上に置いて」と歌っています。
この「砂糖を私の上に置いて」を表すput it down on meはスラング辞典に次の意味で載っています。

Put it down on me
Come (you) and Put it (ass, that booty, pussy, etc…) down on me ( set it on my d)… Another way of saying lets have sex without sounding awkward or strange.

Urban Dictionary

拙訳:
こっちに来て、それ(お尻、胸、アソコなど…)を私に置いてください(私のdxxxの上にそれを置いてください)…別の言い方をすれば、ぎこちなく奇妙に聞こえることなく、セックスを誘う言い方。

…馬乗りになってほしいということです。

●ブリッジにて
次にSugarが出てくるのは、ブリッジパートです。

「そのレッド・ヴェルヴェット(ケーキ)がほしい、その砂糖(sugar)のような甘さが欲しい」
「メイクしないで、それが私のシュガー(sugar)」

一文目について、cakeは通常「洋菓子のケーキ」の意味ですが、俗語として「性的魅力のある女、アソコ、セックス」の意味も持っています。
二文目について、言葉を補うと「メイクをしていないスッピンの君の顔=ボディが、私のシュガー」だと歌っています。

【疑問2】なぜyour loveではなく、your lovingなのか?

最初のVerse 1に出てくる、歌詞についての疑問です。

I need your loveではなく、I need your lovingになっている点が気になります。

このlovingの正体はいったい何なのか?

2つの捉え方ができます。

(1) lovingは「名詞」説
(2) lovingは「動名詞」説

(1)について

先に結論を言うと、(1)説を立証する証拠は見つかりませんでした。
どの英英辞書を開いてもlovingは形容詞「愛情を抱いた、愛情のある」の意味だけです。
ただ、wikipediaの”loving”の記事を読むと名詞として使われている例が載っています

Noun
loving (usually uncountable, plural lovings)
The action of the verb to love.
all natural lovings and longings

Wikipedia

Wikipediaの意味を解釈すると、lovingは「愛する行為、動作」のことを指しています。
love(愛)とのニュアンスが少し違い、動的なエッセンスが加わっている印象です。

以上を踏まえて、歌詞の全体を訳すなら「君に愛してほしい」。

(2)について

(1)の説では信用できるソースで裏取りが取れなかったので、こちらが本命の可能性が高いです。
動名詞と捉えて文を分解してみます。

I(主語) need(動詞) your(動名詞の意味上の主語) loving(動名詞).
「私は」「必要である」「あなたが」「愛するのを」

以上を踏まえて、自然な日本語で訳すなら「君に愛してほしい」。

(1)でも(2)でも和訳は同じになりました。

どちらで解釈するにせよ、lovingのエッセンスは動的に「愛する」という行為に視点を置いているということです。

ここがI need your loveとの大きな違いです。

● I need your love. 「君の愛がほしい」
● I need your loving. 「君に愛してほしい」

ちょっと想像してください。
パートナー/恋人/好きな人に「君の愛がほしい」と言われるのと「君に愛してほしい」と言われるので、どういう印象を抱きますか?

私は「君の愛がほしい」と言われると、ぶっきらぼうで場合によっては高圧的な印象を受けます。
「君に愛してほしい」と言われると、切実さや必死さが伝わります。

歌詞に出てくる語り手は「君がいないと何だか元気がない」と弱音を吐露しているので、I need your lovingはキャラクターに合った言葉選びがされていると感じました。

余談ですが、このフレーズはほかの曲でも多く採用されています。
・The Four Tops – Baby I Need Your Loving
・Queen – Need Your Loving Tonight
・Marc et Claude – I Need Your Lovin’ Like the Sunshine

ニュアンスの違いに着目してこちらの曲もお楽しみください。

最後に

この曲は、砂糖の依存度の高さのように、相手への依存度の高さを表現した曲だと感じます。

恋人の愛に溺れたい人/依存したい人。
好きな人にぞっこんメロメロの人。
とびっきりの甘い曲を聴きたい人。
オススメです。

しかし、砂糖のもつ魔性さ・依存度にはくれぐれもご注意を。

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