The Beatles「Love Me Do」4つの疑問を解く

The Beatles

伝説のバンドの始まりは、この曲から。

1962年10月5日、ビートルズのデビューシングルとして「Love Me Do(ラヴ・ミー・ドゥ)」がリリースされました。

バンドの歴史の始まりとなる、記念すべき一曲です。

そんなビートルズの最初の曲「Love Me Do」にまつわる疑問4つをこの記事で解消したいと思います。

コンテンツと問題提起
  • ドラマーはリンゴ・スターではなかった?!3つのパターンが存在する経緯は?
  • デビューシングル候補は、「ラヴ・ミー・ドゥ」以外にあった?!その曲名は?
  • Love Me DoのDoは何?
  • 歌詞から学ぶ英語表現~someoneとsomebodyの違いは?~

この記事は、ビートルズと英語の両方を知りたい人向けに書きました。
前半の2つはバンドにまつわる疑問、後半の2つは英語の歌詞にまつわる疑問です。

同じ疑問を抱いている方はこの記事をそのまま読み進めていただいて、全部知っているビートルマニアの方はブラウザを閉じて、「ルーフトップコンサート」の上映日まで、楽しみに待ちましょう。

2022年2月9日~2月13日の5日間、IMAX(R)シアター限定で伝説のライブ「ルーフトップコンサート」が劇場で楽しめるのです!楽しみですね。

いったい誰がドラマーなんだ?

この曲は全部で3回レコーディングされています。

一回目のレコーディングでドラムを演奏したのは、ピート・ベスト
メジャーデビューする前のドラマーはリンゴ・スターではなく、彼でした。ただ、彼の演奏に満足しなかったプロデューサーの提案により、ピートはメジャーデビュー目前に解雇。
ピートの演奏したヴァージョンを聴きたい場合は、アルバム『アンソロジー1』に収録されています。

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ピートの解雇を受けて、代わりにビートルズに加わったのが、リンゴ・スターです。

二回目のレコーディングでドラムを演奏したのは、リンゴ・スター
リンゴはビートルズに加入したばかりでリハーサルに慣れていなかったこともあり、何十回もテイクを重ねた挙句、プロデューサーを満足させる演奏ができませんでした。
リンゴの演奏したヴァージョンを聴きたい場合は、『レアリティーズ Vol.2』や『パスト・マスターズ』に収録されています。

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リンゴの演奏の出来に不安を感じたプロデューサーは、経験豊富なドラマーを起用して、再度レコーディングを行います。

三回目のレコーディングでドラムを演奏したのは、アンディ・ホワイト
すでにビートルズに加入していたリンゴはこの時の収録で、タンバリンを担当する苦い経験をしています。
アンディの演奏したヴァージョンを聴きたい場合は、『プリーズ・プリーズ・ミー』『ザ・ビートルズ1962年〜1966年』(=赤盤)や『ザ・ビートルズ1』に収録されています。

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最終的に、シングルリリースは「リンゴ版」、その後の『プリーズ・プリーズ・ミー』をはじめとする多くのアルバムには「ホワイト版」の演奏が採用されています。

あなたの持っている「ラヴ・ミー・ドゥー」は誰がドラムを叩いていますか?

この章のまとめ

レコーディングは全部で3回行われた。
1回目:ピート・ベスト → のちに解雇となったため、2回目へ。
2回目:リンゴ・スター → 演奏に不安が残ったため、3回目へ。
3回目:アンディ・ホワイト
シングルはリンゴの演奏が採用されたが、多くのアルバムはホワイトの演奏が採用されている。

デビューシングルが決まるまでの経緯

今でこそ自分で作詞作曲を行うアーティストが多くいますが、60年代当時は分業が主流でした。

プロデューサーのジョージ・マーティンは、作曲家が書いたポップソングHow Do You Do It?(ハウ・ドゥ・ユー・ドゥ・イット)」をビートルズのデビューシングルにしようと考えていました。

この曲は一応レコーディングされたものの(『アンソロジー1』に収録されています)、デビュー前に待ったをかけたのがポール・マッカートニーとジョン・レノン。

10代のときに二人で作った「Love Me Do」でのデビューを強く希望し、その希望が叶ってデビューシングルは「How Do You Do It?」ではなく「Love Me Do」に決まりました。

当時の慣例を考えると、新人バンドで、かつ、まだ名の売れていなかったバンドが、オリジナル曲でデビューを果たす行為は、非常に珍しく革命的だったと思います。

この章のまとめ

デビューシングルは当初「How Do You Do It?」になる予定だった。
ポールとジョンの強い希望により、二人で作ったオリジナル曲「Love Me Do」が採用された。

文法崩壊?! Love Me Doの”Do”はなぜそこにある?

歌詞は文法通りになっていないことが多々あります。
この歌詞を文法どおりに読もうとすると、Love meの後にDoが来ていることに疑問を感じます。

これには、二つの考えがあります。

一つは「強調のDo」。
meとdoの間にコンマを補って”Love me, do.”を入れるとよりクリアになります。
Doは、前の動詞loveを強調するためdoです。

強調のdoは例えばこんな使い方をします。
例) I like apples. (私はリンゴが好きです)
例) I do like apples. (私はリンゴがすごく好きです)

上に挙げた例文のように、通常は動詞の前に強調のdoを置くのが正しい形です。
なので、正しく書こうとするなら、do love meが正しい形です。

一旦ここまでを踏まえて、まとめると以下のロジックでlove me doになったのではないかと思います。

Love me. [命令形]

Love me, do love me. [命令形+強調の命令形]

Love me, do. [重複している後半のlove meを削除した形]

Love me do. [コンマを取った形]

ただ英語のサイトを読み込んだ限り、この表現は一般的には使わない、ビートルズの歌詞以外では見かけない形だそうです。そこで挙がっているのがもう一つの考えです。

その考えとは、「韻を踏むため」。

Love, love me do
You know I love you

レノン=マッカートニー

上記の引用した歌詞を読むと、doと次のラインのyouが韻を踏んでいます。

do /dúː/
you /júː/

もしあなたが図書館や電車やバスでこの記事を読んでいなかったら、一旦読むのをやめて、周りに人がいないことを確認してから発音してみてください。
どちらの単語も、口をすぼめた「ウー」の発音になることが実感できるはずです。

この章のまとめ

Love Me Doの”Do”は、強調によるもの+韻を踏むためによるもの、の二つの背景があった。
ただこの表現は一般的な文書ではあまり見られない歌詞ならではの表現と捉えたほうがよい。

someoneとsomebodyの違いは?

歌詞にはsomeoneとsomebodyの両方が登場します。
「2つの違いは?」と見知らぬ人に聞かれてもスラスラっと答えられるように、ここでおさらいしておきましょう。

共通点は、どちらも「知らない人、特定していない誰か」を指しており、多くの場合、置換可能だということ。
微妙なニュアンスの違いは、someoneが「フォーマル寄り、文語寄り」somebodyが「カジュアル寄り、口語寄り」であること。
※法的文書では、somebodyよりもsomeoneのほうが使われるケースが多いようです。

【参照】Collins Dictionary / Merriam-Webster Learner’s Dicitonary

この章のまとめ

someoneとsomebodyは意味に違いはなく、多くのケースで置換可能。
違いを挙げるとすれば、someoneは「フォーマル、文語寄り」somebodyは「カジュアル、口語寄り」である。

最後に

ポールが10代の時に書きレノンも手伝った二人のオリジナル曲、かつ、リンゴのドラム演奏で記念すべきメジャーデビューを飾ったビートルズ。

全英では62年に最高17位、全米では64年に最高1位を獲得しています。

メジャーデビュー当時のビートルズの人気と知名度はまだ全米英に届いていなかったことを考慮すると、この結果は大健闘だったのではないかと思います。

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