Lorde(ロード)Fallen Fruit【解釈】怒りと尻拭い

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Lorde

「Fallen Fruit」とは、日本語で「地面に落ちた果実」。
なぜ「獲れたての果実」ではなく、「地面に落ちた果実」という言葉を選んでいるのでしょうか?
そして、なぜ果実は地面に落ちたのでしょうか?自然現象なのか?それとも、意図的なものなのか?

どんな曲なのか先に結論を伝えると「地球の旨味を味わうだけ味わい地球を汚して死んでいった世代と彼らの尻拭いをする羽目になった私たち」を描いた曲です。
本文では歌詞に出てくる英単語を確認しながら、各節の解釈を詳しくご紹介します。

「自分なりに和訳してみたけど理解できなかった」という方のご参考になれば幸いです。

この曲はこんな人にオススメ

  • 環環境汚染や地球温暖化に興味がある人
  • 資本主義に懐疑的な人
  • 地球がどうなってしまうのか気になっている人
  • 地球のために何かいいアクションを起こしたい。その背中を押してほしい人
  • 自分たちより前に生まれた世代への怒りを昇華させたい人
    …など。

Verse 1【解釈】ジェネレーションギャップ

Verse1では、ロードを含めた若者世代と、彼らよりも前に生まれた黄金世代の対比が描かれています。

黄金世代とは、特定の分野において優れた人たちが集中していることを表す言葉ですが、この歌詞での黄金世代とは具体的にどういう年代の人たちを指すのでしょうか?

アルバムのテーマが「自然」ということを考えると、自然の豊かさや地球の美しさを存分に享受した世代と考えるのが順当だと思います。海洋汚染を微塵も気にしていなかった世代、地球温暖化という言葉が存在する前に生まれた世代のことです。
「翼に持ち上げられた(lifted on a wing)黄金世代」とあるので、いま我々が直面している海洋汚染や地球温暖化を知らずに、すでにこの世から天に召された人々のことを指しているのだと思います。

「私たちの描いていた夢は大きすぎた」と歌っていますが、これはどういうことでしょうか?
黄金世代によって使い古された地球を譲り受けた私たち世代の夢は、これまで通り地球に住めるように大事にして守ること。
しかし、黄金世代が残していった地球の状態はあまりに酷く、何から手を付けてよいのか分からない、途方に暮れた様子が歌詞から伝わります。

Verse 2【英単語】psychedelic サイケデリックな、サイケ調の

例) Why don’t we see some psychedlic arts this weekend?
(今週末、サイケデリックアートを見に行かない?)

Verse 2【英単語】garland 花冠

例)I’m going to wear a white garland at my wedding.
(結婚式では白色の花冠を付ける予定です)

Verse 2【英単語】splendor 壮麗、豪華さ

例) I wanna live in regal splendor.
(豪奢な生活がしたい)

Verse 2【解釈】愚かな人類

Verse 2でも、対比が使われています。
天に召されて浮いている黄金世代と、地球に足を付けて歩いている私たち世代。

「サイケ調の花冠」は、自然を愛し愛と平和を訴えたヒッピーの容姿と重ね合わせていると思います。
ヒッピーは原色や蛍光色といったカラフルな色で全身を包んでいました。
そして1つ前のトラック『California』でもヒッピーを彷彿とさせる箇所が出てきました。

ヒッピーのように自然を大切にしようとする私たちが通り過ぎてしまうことになったのは、楽園と呼ばれるエデンの園。
旧約聖書の神話にあるとおり、アダムとイブは知恵の果実を食べてしまい、彼らは追放されてしまいます。

同様に、彼らの子孫であるとされる私たちも楽園に住むことはできません。
さらに私たちが手に入れることができるのは、エデンの園で実っている取れ立て果実ではなく、エデンの園から転がり落ちた果実。
歌詞のストーリーでは、新鮮な果実を手にすることはできないのです。それが私たちの運命です。

それでも、私たちは落ちた果実の収穫に喜び踊んでいます。
その様子を俯瞰して見ている「あなた(You)」の存在。この「あなた」は知恵の果実を食べてしまってから現在に至るまでの人間の愚かさをあざ笑っている神様なのかもしれません。

Chorus【解釈】なぜ果実は落ちているのか?

冒頭の問題提起に戻りますが、なぜ果実は地面に落ちたのでしょうか?

ここまでの流れを解釈する限り、自然と落ちたわけではなさそうです。

歌詞には明確な答えが綴られていないため、想像力を膨らませることになります。
もしかしたら、地球破壊によって果実が育たなくなって落ちたのかもしれません。
もしかしたら、森林伐採によって果実のなる木ごと、切り倒されたのかもしれません。

いずれにせよ、このコーラスの歌い方から、悲しさと静かな怒りが込められていると感じました。

Bridge【英単語】vaper:電子タバコを吸う人

例) Vapers are not allowed to smoke here.
(電子タバコ喫煙者は、ここで吸わないでください)

Bridge【解釈】もう地球は住めない

日産は車メーカー。ファントムはロールスロイス車の車。
そういった自動車や飛行機は私たちの生活を便利にしてくれるものの、地球破壊に加担しています。

色々なものを犠牲にして地球で生きてきた人類。
地球の資源が枯渇するのも時間の問題です。ありとあらゆる種類の種をポケットに詰めて、地球を離れる時がいずれ来るかもしれません。

まとめ

この曲は、地球からの恵みを搾り取れるだけ搾取していった黄金世代への怒りと、直視しなくてはいけない死にゆく地球の今を反映させた曲でした。

車を発明した人も、飛行機を発明した人も、電化製品を発明した人も、発明当時はこれほど地球を傷つけるとは思っても考えてもいなかったと思います。

発明した人は、もうこの世にいません。

私たちはそんな彼らの尻ぬぐいをしなくはいけないのです。この曲からは、傷つき汚れた地球を私たちに残した世代への悲しき怒りが感じられます。

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