Lorde「The Path」【解説】私を崇拝しないで

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Lorde

サードアルバムのトップバッターを飾るのは、今回ご紹介する『The Path』です。

この曲を聴けば、今に至るまでの経緯と現在の考え方、そしてアルバムのコンセプトについて理解できる大事な1曲目になっています。

どんな内容なのか私なりの解釈で解説したいと思います。
「自分で和訳してみたけど意味が分からなかった」「歌詞の意味を理解したい」と思っている方のご参考になれば幸いです。

この曲はこんな人にオススメ

・仕事とプライベートの板挟みになっている人
・人生の道に迷っている人
・有名人の考えに依存した有名人崇拝に否定的な考えの人
・ニュージーランドの豊かな自然と暖かな日差しを感じたい人
・ロードがどんな人生を歩んできたか知りたい人
・誰かが自分の人生を何とかしてくれると受け身的な考えを持っていて、その目を覚ましたい人
・主体的に人生を生きたい人

Verse1の解釈と英語表現

【解釈】辿ってきた道

タイトルの「The Path=道」が表すとおり、Verse1の歌詞ではロードが生まれてから今現在に至るまでのこれまで辿ってきた道が綴られています。

出生:オキシコンチン錠が世に出回った1996年に生まれる。

幼少期:ニュージーランドで過ごす。ニュージーランドにはトエトエ草と呼ばれる非常に背の高い植物が生えています。3mほどの高さにまで成長するそうです。(※下部、画像参照)

10代:ファーストシングル「Royals」でデビューした時の年齢は17歳です。10代で数々の賞を受賞し億万長者になりました。
同時に、有名になったことでパパラッチやメディア、SNSなどに振り回されてつらい日々を過ごしていた様子が”nightmares”(悪夢)に表れています。

現在:レーベルやラジオからの依頼も受けずに、孤島で独りきり。

前のアルバムリリースから4年のブランクがあったこともあってか、1曲目で「これが私の歴史ですよ」と丁寧に自己紹介しているような歌詞です。
彼女の情報が簡潔にまとめられているので、ロードをこれから知る人にとってはもってこいの曲です。

Verse 1の歌詞で気になる箇所は、「離婚」という表現です。ロードらしい詩的で面白い表現だと思いました。
音楽活動のオンシーズン⇔私生活を楽しむオフシーズン
相反する2つのシーズンの板挟みになっている状態を「込み入った離婚」という言葉で表しています。

この「込み入った離婚の季節」については、アルバムの4曲目『Stoned at the Nail Salon』で詳しく語られています。別の表現、叉骨(V字に分かれた骨のこと)に言い換えられています。

【教養】OxyContinとは?

鎮痛剤の一種、オキシコンチン錠のこと。

ロードが生まれた1996年、米Purdue Pharma社によって鎮痛剤のオキシコンチンが開発されました。鎮痛剤といっても依存性の高い劇薬で、その中毒性の高さから乱用が問題となっている、いわくつきの薬のことです。

Verse 2の解釈と英語表現

【解釈】ロードとスーパーモデルの対比

2016年のMETガラのイベント前、左腕を怪我してしまい、当日はやむなくギプスを付けて出席することになりました。
さらに、フォークの歌詞も実体験です。イベントの記念として持ち帰ったフォークは、今でも母親が持っているそうです。

このVerse 2で伝えたいことは、「自分はいち人間にすぎない」ということだと思います。

普通に怪我をするし、世界的に有名なイベントの出席に興奮して浮かれてフォークを持ち帰る。
有名になっても気取らず飾らないでいることが、イベントで踊っているスーパーモデルたちとの対比になっているのだと思います。

【教養】museum galaとは?

古代エジプトの美術品が多数展示されているメトロポリタン美術館で、毎年行われるファッションの祭典「METガラ」のこと。著名なアーティストやモデルたちが、その年の展覧会のテーマに基づいたドレスを着用して参加します。ロードは2016年のMet Galaに参加を果たしています。

Chorusの解釈

【解釈】 Lorde(ロード)はLord(神・救世主)ではない

Verse 2では、自分はいち人間で特別扱いしてほしくない感じが歌詞から感じ取れました。
その理由が、このChorusで明らかになります。

自分を崇拝してほしくない、救世主だと思ってほしくないとロードは考えています。

「あなたの曲で救われた」「この曲のおかげで立ち直れた」

音楽を聴いて、このように感じた経験はありませんか?

聞き手あっての音楽なので、どういう目的で音楽を聴き、どう感じるかは人の自由です。

ですが、自分の悩みや問題の答えを誰かに委ねるというのは少し違うのではないかと、この曲では疑問を呈しています。

歌手であれ、モデルであれ、セレブであれ、例外なく人はみな、いち人間にすぎません。
誰しも、打ちひしがれたり、悲しんだりするものです。決して特別な人間ではありません。
だから、そういう人たちに夢や希望を抱かないでほしい。

自分の感情や人生を他人に委ねないでほしい。そう訴えているように感じる一節です。

まとめ

この曲の歌詞は、ロードが有名になるまでのヒストリーと、有名になったことで芽生えたある考え、有名人を崇拝することへの懐疑的な考えについて綴られています。

好きな歌手、モデル、著名人、インスタグラマー、ユーチューバーなど、自分にとって特別な人の考え方を鵜吞みにしたり、真似をしたり、他人に依存して自分の人生を他人に委ねて生きている人は一定数いるかもしれません。

特別な人などいない。
誰しも1人の人間なんだと、この曲がそう思わせてくれます。目を覚まさせてくれます。

Lorde(ロード)はLord(神=救世主)ではないのです。

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