Sylvan Esso(シルヴァン・エッソ)「Radio」の意味は?|解釈

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Sylvan Esso

ノースカロライナ州のエレクトロポップデュオ、シルヴァン・エッソ(Sylvan Esso)。

ボーカルはアメリア・ミース(Amelia Meath)、プロデューサーはニック・サンボーン(Nick Sanborn)。

実はこの2人、2016年に結婚しています。

公私ともにパートナーとなった2人の生み出す音楽が大好きです。

今回はシルヴァン・エッソの2017年にリリースされた曲『Radio』を自分なりに解釈してみたいと思います。

「歌詞の意味を理解したい」「自分で和訳してみたけど、分からなかった」という方の参考になれば、幸いです。

解釈

Verse 1

私にニューシングル曲をちょうだい、から始まる印象的な曲。

その次の「生まれたての赤ちゃん」は、さきほどのシングル曲の同義語として使われています。

つまり、歌手として新しい曲を生み出すことは、赤ちゃんを産むようなのものなのでしょう。

その赤ちゃんがキャンディーを全て平らげるということは、何を表しているのでしょう?

食欲=欲求を満たすことを表しているのかもしれません。

はたまた、赤ちゃん(=シングル曲)が生まれると、どんどん世に出ていくことから、成長を表しているのかもしれません。

しかし、次の”while~”以降でセクシャルな内容に急展開。

しかも「あなた(赤ちゃん=シングル曲)」が「私」にまたがって、押し倒して、馬乗りになっている状態です。

あまりに一方的で強制的。今までの流れをまとめると、こんな感じです。

新曲をリリース

キャンディーを食べることで欲求は満たされる、成長できる

一方で「あなた」に好き勝手にされるがまま。

これはどういうことでしょうか?

このように解釈しました。

・「あなたがまたいで私を押し倒している間」
⇒ 新曲をリリースしたものの、プロモーション活動やランキングの順位で振り回されることを示唆。

・「あなたが上に来る前にすべての言葉を把握しているつもり」
⇒ ランキングで上位に来る頃には、歌詞を覚えているつもり。

「あなたが昼寝をしようとする間、今度は私が歌い返す」
⇒ 曲の売れ行きが良くなってきた低迷期は、ステージに立って曲を広める。

場面は変わり、世界で暴動が起きているようです。

ここでは世界の終わりが近づくと、昔からある「古き良きもの」に頼ることを言いたいのではないかと思います。

テレビもなかった頃、メディアといえばラジオしかありませんでした。

しかし、今は違います。

テレビ、YouTube、SNS、アプリ、など音楽を流したり表現したりする場所が多様化しているからです。

この歌詞では「世界が暴動を起こす間」「世界が解けていく間」と、ラジオを聴くシーンが限定されています。

世界が終わりに近づいた時にしか、ラジオの出番はないと暗に批判しているのかもしれません。

ラジオはほとんど聞かないから分からないという方は、懐中電灯やローソクを思い出してみてください。

普段はスマホのライトで事足りますが、いざ自然災害が起きてスマホが使えなくなった時に活躍するのが懐中電灯やローソクです。

ラジオもいざという時の必需品、そういうプラスのニュアンスとしても受け取れます。

Chorus

ラジオで流す曲の尺は予め決まっているもの。

いくら曲が長かろうが、おおよそ3分30秒で切られてしまいます。

それは、絶対的なルールで、服従せざるを得ません。

アーティストは、いくら自分を表現するために自由に音楽を作ろうとしても、所属するレーベルやメディア、ファンの期待など、さまざまな方向から圧をかけられて、なかなかやりたい通りに思い通りの楽曲を作ることができません。

それが、このコーラスに込められたニュアンスだと思います。

また、他人の顔色をうかがい、他人にこびた曲を作ることへの葛藤について描かれているのが、次のヴァースです。

Verse 2

自分たちの作りたい音楽と、多くの人に受け入れられランキングの上位に入る音楽は、必ずしも一致しません。

アーティストはライフワークを取るかライスワークを取るか、天秤にかけて楽曲を製作することもあるでしょう。

シルヴァン・エッソのアメリアも例外ではありません。

自分の作りたい曲が人に受け入れられるのかプレッシャーの中、製作を行っています。

そんな心の吐露をこの部分で表現しています。

アメリカ人に媚びた結果、思ってもみなかった曲がウケて驚いている様子。だったら、自分を偽ってメディア受けする自分を演じる様子が、皮肉たっぷりに歌われています。

Bridge

「ハイウェイ」も「ガソリンの煙」も、スピード感が求められる音楽業界に疲れを感じているのではないかと解釈しました。

「ランキングの入れ替わりは激しいし、曲はどんどんリリースしないといけない。頭が爆発しそう。まるで高速道路に乗っているところに、ガス欠なのかエンジントラブルなのか、車から怪しい煙がモクモクと出始めたみたい…ああ、しんどい」

でも、ぼやきながらも、シルヴァン・エッソは決して歩みを止めません。

叫びながら走り続けます。

機械のように、活動を続けていきます。

最後のほうに「Blue Jean」という言葉が出てきます。

これは、デヴィッド・ボウイの曲名のことを指しているのではないかと思います。

アメリは大のデヴィッド・ボウイ好き。

そんな彼女にとって、2016年のボウイの死は大きな意味を持ちました。

ボウイの曲「Blue Jean」を歌詞の一部に入れ込むことで、自分を鼓舞しているのではないかと思います。

まとめ

ラジオというキーワードを通して音楽業界の批判と、自身の曲作りの葛藤を表現した曲でした。

シルヴァン・エッソはほかにもご紹介したい曲があるので、また別の曲を取り上げたいと思います。

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