【解釈】Adele -Rolling in the Deep-

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Adele-Rolling-in-the-deep Adele

Rolling in the Deep(ローリング・イン・ザ・ディープ)とは一体どんな意味なのでしょうか。

アデルはインタビューで、UKスラングのroll deepを元につくった言葉だと答えています。

roll deepの意味はいくつかありますが、一例として誰かと深い絆で結ばれているという意味があります。

さらに、roll deepの意味について、彼女は次のように語っています。

「roll deepは、味方でいてくれて、困ったときは助けてくれる誰かがいるということ。そのように感じています。そんな相手がいつもいてくれると思っていたけど、結局はそうなりませんでした。」

深く愛し合っていたのに、相手に侮辱され捨てられ、その腹いせで書いた曲が『Rolling in the Deep』です。

この曲の各パートにはどんなストーリーが込められていのでしょうか?

この記事で、各パートに分けて考察します。

この記事は以下の読者に向けて書きました
  • この曲を理解したい人
  • 人の一解釈を読んでみたい人
  • 和訳しても歌詞の意味や良さがいまいち分からなかった人
  • MVの似ている「Easy On Me」との違いを確認したい人

【解釈】

ここからは、各パートで何を伝えようとしているのか要約していきます。

いろんな解釈ができるのが歌詞の魅力です。一考察が参考になりましたら、幸いです。

歌詞の登場人物

≪I(I私)≫…アデル

≪You(あなた)≫…元カレ

【Verse 1】宣戦布告

ヴァース1は、語り手の怒りが全面に表れているパートです。

心の中に芽生えた怒りが沸点に達し、その怒りのエネルギーを糧に、どん底から這い上がろうとする語り手の心情描写から始まります。

そして、上まで這い上がってきて、何もかもクリアになった語り手は、≪あなた≫の嘘をすべて晒してやる、すべての責任を負わせてやる、これからやることを見くびるな、と宣戦布告してこのパートを締めくくります。

怒りと恨みの感情が暴走している様子が、歌詞から読み取れます。

【Pre-Chorus】うずく傷跡

プレコーラスは、これまでに受け取った相手の愛や、二人でいたときの楽しかった思い出が、牙をむき、傷と化す様子が感じ取れるパートです。

相手との恋愛が順調で幸せが絶頂に達しているときは、まるですべてを手にしているような無敵感や充足感に包まれるものです。

しかし、いざその絶頂が過ぎ去り、相手と別れてしまえば、その愛や記憶は自分を苦しめる凶器となってしまいます。

このパートからは、相手の残していった置き土産に苦しんでいる様子が読み取れます。

【Chorus】悲しみと怒り

曲名「Rolling in the Deep」が登場するコーラスは、悲しみと怒りが入り混じった複雑な心情が歌われています。

冒頭でもお伝えしたとおり、roll deepは「誰かと深い絆で結ばれている、味方でいてくれる誰かがいる」という意味です。

心の底の底・深淵で通じ合い、信頼し合っていた二人の愛は、すべてを手にしていると錯覚するほどの素晴らしいものになり得たのに、それをいいように利用され弄ばれたことが綴られています。

【Verse 2】しっぺ返し

ヴァース2は、復讐を表現しています。

相手にひどい暴言を吐かれた語り手は、“今度は私があなたの頭に火をつける(=怒らせる)”、とやられたらやり返す気満々です。

実際にどんな暴言を吐かれたか、アデルのインタビュー記事を抜粋します。

“being told that my life was going to be boring and lonely and rubbish, and that I was a weak person if I didn’t stay in the relationship. I was very insulted, and wrote that as a sort of ‘f*** you,'”

The Independent

元彼にこう言われた。「君の人生は退屈で孤独でゴミになるだろう、関係を続けられないなら君は弱い人間だ」ひどく侮辱されたから、そのクソ野郎の曲を書いた。

こんなひどいことを言われたら、復讐したくなるアデルの気持ちも分かります。

このパートの最後のラインで、“絶望の淵(=地獄)で一生暮らすための家を建てて、私を思い出すがいい”と恐ろしいことをさらりと歌っています。

【Bridge】お粗末な≪あなた≫と失恋をバネにする≪私≫

ブリッジでは、その後の二人の様子が描かれています。

相手は、片っ端からチャンスのある女性に飛び込み、アデルの代わりとなる相手探しに必死でお粗末です。

一方の語り手は、悲しみを貴重なゴールドに変えると歌っています。

これは、歌にして昇華するという意味と、その先の意味、つまり、この曲をヒット曲にしてお金を稼ぐという意味もあると思います。

最後のラインで、“仕返ししてきても、自分の蒔いた種でしょ”とバッサリ切り捨てているところも清々しいです。

MV比較:「Easy On Me」との違い

2021年10月15日に、「Easy On Me」がリリースされました。

そのMVを見ていると、今回の曲「Rolling in the Deep」と似たような構図の箇所がありました。

3:38から、椅子に座って歌っているシーンがあります。

ただ明らかに両MVには違いがあるので、ここで比較したいと思います。

MVの違い

「Rolling in the Deep」
・色味:黒、白、茶色
・髪型:髪を全部縛って、カチューシャで留めている
・服装:レースのブラックドレス
「Easy On Me」
・色味:最初は白黒(これは「Hello」とのリンク)→3:38からカラー(特に赤)
・髪型:髪をおろした状態
・服装:トップスは赤のニット、ボトムスはワインレッドのロングスカート、アウターはワインレッドのレザートレンチコート

「Rolling in the Deep」では、全体的に暗い色味が使われています。

一方の、「Easy On Me」は白黒から赤に変わる様子が特徴的です。

そして特に注目したいのが、彼女の髪型です。

「Rolling in the Deep」は髪をきつく縛りアップにしているのに対し、「Easy On Me」は、髪を下ろしています。

「Rolling in the Deep」は“復讐”がテーマ、「Easy On Me」は“離婚”がテーマで、それぞれのコンセプトに合わせたMVになっています。

まとめ

数々の賞を総なめにした曲「Rolling in the Deep」の裏側には、アデルの元彼への痛烈な怒りが込められていました。

歌詞のTurn my sorrow into treasured gold(自分の悲しみを貴重なゴールドに変える)のように、悲しみと怒りを曲づくりで昇華して成功したアデルは、アーティスト冥利に尽きるのではないでしょうか。

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