ESGやSDGs、脱炭素などといった言葉が、日本でもよく話題にされるようになりました。
それほど地球温暖化が深刻化している証拠です。
環境に配慮した取り組みを行っているものの、地球保全が破壊に追いつかず、いずれ地球に住めなくなってしまう日が来るのでしょうか。
ロードの「Leader of a New Regime」は、近い未来の地球の姿を想像して書かれた曲です。
“Leader of a New Regime”とは、日本語で「新しい政権のリーダー」。
この曲は、今ある汚れた文明社会を全部捨て、「新しい政権のリーダー」を先導に自然に囲まれた場所で一からやり直そうとする曲のです。
本文では、具体的に自分なりの解釈と気になる英語表現をピックアップしてご紹介します。
歌詞の解釈と英語表現
Verse 1【解釈】創世記と皮肉
Verse 1では、外国行きの最後の飛行機に乗って、どこかも分からない島へたどり着く場面描写が描かれています。
なぜ、これまで住んできた場所を捨てて島へ向かったのでしょうか?
それを知るカギは、冒頭に出てくる「SPF3000の日焼け止め」。
地球温暖化によって紫外線が強くなり、住みたくても住めない状況へと変わっていったと想像できます。
ただこの島は、地球以外の、たとえば火星などの違う惑星かと言えば、そうではなさそうです。
「SPF3000の日焼け止め」を付けているということは、地球に存在するどこかの島にたどり着いたということ。
文明を全部捨てて、手つかずの自然に囲まれた島で、一からやり直そうとしているのです。
新たな創世記のはじまりです。
ただ、一からやり直そうとしている割に、違和感を感じるのが歌詞の後半部分です。
島行きの荷物に詰めているのは、SimoneやCélineといったブランド品と自分が載っている雑誌。
ここは、笑っていい皮肉の詰まったジョークだと思います。
まるでバケーションにでも行くようなルンルン気分が詰まった持ち物で、島での生活を始めようとしていますが、果たしてそれらが役に立つのでしょうか。
よく燃えるという点では役に立ちそうですが、ほぼ無駄な荷物となりそうです。
これは、「有名人はブランド品と雑誌だけを持っていく」という古い固定概念を揶揄しているのだと考えられます。
Verse 1【英語表現】Made it toの意味は?
「~までたどり着く」
「外国行きの最後の飛行機に乗って島にたどり着いた」と歌う場面で登場する表現です。
例) I’ve got to run, or I can’t make it to the wedding ceremony.
(急がないと結婚式に間に合わない)
Verse 1【英語表現】outboundの意味は?
「外国行きの」
アウトバウンドは馴染みがないかもしれませんが、インバウンド(inbound)はニュースで聴いたことがあると思います。その対義語です。
例) outbound flight ⇔ inbound flight
(渡航便⇔帰航便)
Verse 1【英語表現】live out one’s dayの意味は?
「人生を全うする、生涯を過ごす」
「ブランド品と雑誌を島に持ち込んで、そのままそこで一生を過ごす」と歌っている箇所で登場する表現です。
例) I wanna live out my final days in Italy.
(人勢の最後の数日はイタリアで過ごしたい)
Verse 2【解釈】誰がリーダーを務めるのか?
Verse 2の冒頭では、「この中にお医者様はいらっしゃいませんか?」の質問ぐらい切羽詰まった勢いで、「誰か、誰でもいいから、新しい政権のリーダーになりませんか?」と訴えています。
冒頭でお伝えしましたが、この曲は近い未来の地球の姿を想像した曲です。
この冒頭の質問を言った背景を考察すると、2つの考えが浮かびました。
1つは、島にたどり着いた人の数はそれほど多くない。
地球の大部分が住めなくなって、人口が極端に減ってしまった。
よって、ロードの呼びかけに答える人がいない。
もう1つは、誰も新しい政権のリーダーをやりたくない。
手に負えないほど地球を破壊して、誰もその尻拭いをしたくないし責任を取りたくない。
よって、ロードの呼びかけに答える人がいない。
「欲望と被害妄想がひとり勝ち」といった歌詞が後半に出てくることを考慮に入れると、後者の考えの方が筋が通ります。
Verse 2【英語表現】reign supremeの意味は?
「君臨する、ひとり勝ちの状況である」
「欲望と被害妄想が(リーダーの座に)君臨している」だから「新しい政権のリーダーが必要」と歌っている箇所に出てきます。
例) Capitalism reign supreme in recent years.
(ここ数年、資本主義がひとり勝ちの状態である)
まとめ
この曲は、地球温暖化が加速し続けた結果の未来を想像した曲でした。
できることなら、この歌詞のようなディストピアは避けたいところです。
この曲が収録されているアルバム『Solar Power』は環境に配慮してCDの発売はなく、配信かLPで聴けます。
CDの代わりに用意されているMusic Box(手書きメモ、限定写真、ダウンロードカードが入ってます)は、環境に優しい100%生分解性のハードエコボックスが使用されています。
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