ロードのセカンドアルバム『Melodrama』の最後を飾るのは、この曲「Perfect Places」。
ロードにとって「完璧な場所(Perfect Places)」とはどこのことでしょうか?
自分なりに解釈してみたいと思います。
「歌詞の意味を理解したい」「自分で和訳してみたけど分からなかった」という方の参考になれば幸いです。
この曲はこんなあなたにオススメ
「完璧主義」なあなたに聴いたほしい曲です。
この世界に完璧な生き方などありません。たまには羽目を外してもいいし、道を踏み外してもいいんです。
完璧でいようとすればするほど、この息苦しい世の中ではつらくなってきます。
だからこそ、この曲を聴いて気楽に生きる術を学びましょう。
解釈
Verse 1
毎晩のように、パーティーをして、お酒を飲んで、何もかもぶちまけて…と無様な夜が切り取られています。
でも、それはよくあることだと歌っています。
そういった類のことは、突き詰めれば現実逃避するために行う行為だと思います。
みんな現実を直視するのが、怖いのです。
それはロードも同じ。
ロードはこのアルバム作成中、ニューヨークにいました。
滞在時期は夏で、ニュースで流れる猛暑の情報に嫌気が指していたと語っています。
この曲は「終わりの来ない夜のサイクルと夏の猛烈な暑さから生まれた曲」だと本人も語っています。
「私は燃えている」という歌詞は「19歳で若くて心が燃えている」という意味と、「夏の暑さで体が燃えている」の2つの意味があるとみて取れます。
Pre-Chorus
1980年ごろ、「赤信号、みんなで渡ればこわくない」という言葉が流行しました。
その言葉を彷彿とさせる歌詞です。
みんなで踊ればこわくない。
みんなと一緒なら、どんちゃん騒ぎをして、死ぬほど酔っぱらって、醜態をさらしてもこわくない。
そんな中、行き先を指図する「they(彼ら)」の存在が登場します。
これは、人によっては、親だったり、パートナーだったり、先生だったり、上司だったり…と自分に対して「ああしろ、こうしろ」と、とやかく言ってくる人のこと全般をさしているものと思われます。
ロードの場合は、「ロードはこうあって欲しい」と願うファンだったり、レーベルだったりするのかもしれません。
あれこれ言うなら、ロードは媒体であるラジオごと自分の頭をぶち抜く気でいます。
Chorus
「若者が摂取するもの」といえば、お酒とドラッグが浮かびます。(日本ではピンときませんが)
お酒やドラッグを摂取すれば、簡単に幸福感が得られて「完璧な場所」へ行けるかもしれません。
でもそれは果たして本当に「完璧な場所」なのでしょうか?
ロードは最後のOutroの歌詞で、私たちに疑問を投げかけます。
このコーラスで「ヒーロー」という言葉が登場しますが、一体誰のことを指しているのでしょうか?
アルバム制作中の2016年、デヴィッド・ボウイもプリンスも、ジョージ・マイケルもその年に亡くなりました。
彼らの大ファンだったロードはその訃報を知り、ひどくショックを受けたそうです。
最初のVerse 1に「ニュースの見出しが嫌い」と出てきました。
これは、猛暑による最高気温更新の見出しだけでなく、ヒーローだった彼らの訃報の見出しのことを言っていると解釈できます。
Verse 2
このVerse 2も無様なある一夜を切り取ったもの。
よくわからない誰かと会って、キスをして、服を脱ぐ、というだらしなさが強調される一幕です。
Outro
現実を直視できずに、心に空いた穴を補完する形で、パーティーやお酒へと走る様子がイメージできます。
でも、それで一時的に紛らわすことはできても、そこは完璧な場所とは程遠い場所。
じゃあ、完璧な場所はどこでしょうか?
そもそも生きている間に完璧な場所を見つけることができるのでしょうか?
哲学的な疑問を投げかけて、この曲は終わります。
まとめ
「完璧な場所」とは、高揚感を感じられる場所のことで、パーティや酒の席のことを指しているかのように見えますが、そうではありません。
最後の歌詞で暗に否定しているからです。
結局パーティやお酒で得られる幸福感は、一時的なものにすぎません。
そもそも、「完璧な場所」など存在しないのかもしれません。
「完璧さ」にとらわれて生きる必要はない、「完璧さ」を否定することこそロードが伝えたいことではないか、と思います。
コメント