コロナ渦で世界中が負の感情に包まれた2020年。海外アーティストも例外ではありません。
特にケイティは、前のアルバムの売れ行きが良くなかったことや、オーランド・ブルームと一時的に破局し精神的に弱っていたことから、周りからも心配されていました。
そんな彼女が自身の苦悩を乗り越え、世間の不安を取り除くためパワフルで笑顔になれる曲をリリースしてくれました。
この記事では、6枚目のアルバム『Smile』に収録されている7曲目の「Smile(スマイル)」についてご紹介します。
「歌詞の意味を理解したい」「自分で和訳してみたけど分からなかった」という方の参考になれば幸いです。
この曲の元ネタは?
この曲は、過去の音源を一部流用して製作されたサンプリング曲です。
最初は、1978年にリリースされたサクソフォーン奏者ならびに作曲家・編曲家であるBenny Golson(ベニー・ゴルソン)の「I’m Always Dancing to The Music」です。
もう1つが、ヒップホップトリオNaughty By Nature(ノーティー・バイ・ネイチャー)がR&BデュオのZhane(ジャネイ)を招いて1999年にリリースされた「Jamboree」。
両楽曲のテンポを踏襲しつつも、ケイティの「Smile」は現代風に再構築されているので、ぜひ3作品を聴き比べしてみてください。
この曲はこんなあなたにオススメ
いまがつらい人、苦しい人、笑顔になれない人、そんなあなたに聴いてもらいたい曲です。
つらい時に元気いっぱいの曲は聞きたくない、と思うかもししれませんが、つらい経験を乗り越えてきたケイティの曲だからこそ、ほかの元気な曲にはない、説得力のある力強い歌詞を感じることができます。
解釈
Chorus
この曲は、ようやく笑顔を取り戻せたことに感謝するところから始まります。
ケイティは、thankfulといった後に前言撤回してgratefulと言い直しています。
その2つの使い方の違いは、こちら↓です。
なぜケイティは前言撤回したのでしょうか?
さきほどまとめたthankfulの意味合いは「何か不吉なことが起きなくてよかった!助かった!」というニュアンスです。
でも実際、ケイティはキャリアや恋愛のことで悲しい経験をしているので、thankfulだと矛盾するわけです。不吉なことが起きたわけですからね。
だから、gratefulと言い直したのではないかと推測します。
Verse 1
日本では馴染みのないグラウンドホッグデーが出てくるVerse 1。
グラウンドホッグデーとは、アメリカやカナダで開催される、大きなリスのような動物グラウンドホッグに春の訪れを占わせる行事のことです。
でも、この歌詞では、行事のことを指しているのではありません。
映画『恋はデジャ・ブ』の原題”Groundhog Day”のほうの意味で使われています。
これはどういう映画かというと、傲慢で自己中心的な主人公が、取材で訪れたグラウンドホッグデーのイベント日から抜け出せなくなり、毎日をどう過ごすか苦悩しながら同じ祭事の日を繰り返すというタイムリープ映画です。(一生に一度は観てほしいオススメの映画です!)
毎日が同じことの繰り返しで全然前に進めていない日々の代名詞として、歌詞に「グラウンドホッグデー」を使用したのではないかと思います。
Pre-Chorus 1
このプレコーラスでは、「拒絶とは、神のご加護になり得る」という特徴的なフレーズが際立ちます。
これは、もっと悪いことが起こり得た、拒絶がその防波堤になってくれた、という考え方に基づくものです。
例えば、あなたが長い間付き合っていた恋人に別れ話を切り出されたとしましょう。
恋人のことを深く愛していたあなたは、ひどく落ち込むかもしれません。
でも、もしそのタイミングで別れなければ、相手に浮気されたり、関係が悪化していたり、もっと悪いことが起こり得たのかもしれません。
「拒絶」や「悪いこと」というのは何かの神のお導きである、そうプラスに捉える考え方のことをここでは伝えています。
Verse 2
エゴサーチで傷つき、屈辱を味わい、つらい思いをしてきたケイティですが、それが彼女の人生を変えたのです。
それが彼女をより強くしたのです。
苦境をバネにして乗り越え、ケイティ・ペリー2.0にリモデルした彼女は誰よりも美しく輝いて見えます。
Pre-Chorus 2
シンガーソングライターのライオネル・リッチー並みのビッグスマイルを取り戻したケイティ。
あまりに眩しくてサングラス必須という冗談を飛ばす心の余裕も見受けられます。
男性ボーカルトリオ、Bee Gees(ビージーズ)の名曲「Staying Alive」をもじって、「生き続ける(stay alive)」宣言する元気も伝わる歌詞です。
まとめ
屈辱や辛いことを乗り越えて笑顔を取り戻すことができた、ケイティの今を表現するのに最も適した曲です。
いまは辛くても、そのことをいつか笑顔で話せるときが必ず来ます。
気分が落ち込んだ時こそ、この曲を聴いて乗り切りましょう。
コメント