Lorde「Glory and Gore」【考察】栄光と流血

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Lorde-Glory-and-Gore Lorde

Gloryは「栄光」、Goreは「流血」という意味。

gloryとかけて、goreと解く。その心は何でしょう?

「栄光」と「流血」は全く関係のない言葉に思えますが、どうやらロードは全く違う考えを持っているようです。

この記事で私なりの解釈を紹介します。

「歌詞の意味を理解したい」「自分で和訳してみたけど意味がわからない」という方の参考になれば、幸いです。

この曲はこんな人にオススメ

悩める10代にオススメの曲です。

もう10代を過ぎてしまった方には関係のない曲だということはありません。

自由を求めて奔走している人にも共感できる歌詞になっています。

歌詞和訳と解説

Verse 1

何やら不穏な雰囲気が漂うヴァース1。

季節は夏で、世界は混沌としていること、この2点が歌詞から読み取れます。

この曲を書いた時のロードの年齢が10代であること、そして、アルバムを通して10代の悩みや日常を切り取っていることから、この「Glory and Gore」も多感な10代の感情を表現したものではないかと思われます。

では、10代のどんな感情かというと、すぐに「あー、もうこの世の終わりだ」と極端に考えてしまう感情です。

予め用意していたコースから滑り落ち、ああ、もう、人生終わり。。。死んだ。。。

そう思ったことは過去にありませんか?

特に10代は将来の方向性を決める大事な時期。

あの学校に入学するつもりだったのに試験に落ちた、親兄弟に囲まれて暮らすつもりだったのに家庭が崩壊した…など、思わぬことが起き、想定していた人生のコースからどんどん遠ざかっていく。

そんな挫折を初めて味わうのが10代ではないかと思います。

歌詞には、割れる音を聴くためにグラスを落としていく、という表現がありますが、自分の思い通りにいかないイライラを物に当たっている様子が描かれていると解釈しました。

Pre-Chorus

さてさて、人生にうまく行かず発狂している10代。

そんな10代を見世物のように傍観している存在「they」が登場します。

このプレコーラスの歌詞で、具体的な背景が2つ明らかになります。

1つは、10代はリングの上に立たされていること、もう1つがリングの外で熱狂している観客がいること。

この観客とは一体誰なのか?

10代と対をなす「大人」ではないかなと思います。

Chorus

コーラスになると、また新たな登場人物「You」が出てきます。

どうやらリング上の対戦相手のことを指しているようです。

そして、この「You」も同じく10代です。

根拠は2つあります。

1つは、ヴァース1で「親友の拳でできたアザ」が登場します。

これは、親友同士で殴り合いの喧嘩=リング上での戦いが起きたことを示唆しています。

もう1つは、コーラスで「誰もがパーティー好き/でも本当は救世主」と歌っています。

つまり、「we/us」も「you」も含めて全員パーティー好きな10代であることがわかります。

しかし、「救世主」とは一体どういうことでしょうか?

ロードは過去のインタビューで「10代には世の中を変える無限の可能性がある」と語っていました。

ロードはいつでも10代の味方でいてくれるのです。

誰かと決闘すれば、片方は勝利し栄光(glory)を手にすることができる一方で、もう片方は敗北し流血(gore)を流すことになります。

しかし、10代は違います。

勝負に勝とうが負けようが、ニュースの見出しになるほどバズります。

そういう意味では、どちらも勝利と言えるのではないでしょうか。そう読み解きました。

栄光(glory) 側も 流血(gore)側も手を取り合って協力している仕組まれた戦いなのでしょう。

Verse 2

あらゆる面でデリケートな10代ですが、たった1つ得意なことがあるそうです。

それは、リング上で使う剣術ではなく言葉遊び

歌詞には「swordplay(剣術)」が登場しますが、現代に剣を振り回す人はいませんよね。

“s”を取ってみると”wordplay”(言葉の軽妙なやり取り、洒落)という単語になります。

「言葉」と「剣」というキーワードで、ピンとくることわざがあります。

The pen is mightier than the sword.
(ペンは剣よりも強し)

言葉の力は武力以上に強い力を持つということわざですよね。

SNSが主戦場となっている10代にとって言葉遊びはお手の物なのではないかと思います。

Bridge

ブリッジでは、朝帰りする10代の様子が描かれています。

この部分で言いたいこと。

それは、10代は向こう見ずで、死について一度も考えたことのない若さがあって根拠のない自信があということ。

そして、グラディエーターとしてリングに入り戦うこと、戦いに観客がいることに、まんざら嫌ではなさそうということ。

福沢諭吉さんの『学問のすゝめ』に、「自由は不自由の中にある」ということばあります。

自由とは、何でもかんでもわがままにやりたい放題するということではない。他人の妨げをせずに心のままに動くことである、と。

確かに、10代は周りの大人や親が見ているからこそ、のびのびとパーティーをしたり、喧嘩をしたり、自由にできるのではないかと思います。

観客が見ている中リング上で戦うという行為は、一見縛りがありそうに見えますが、その中にこそ自由がある、という意味なのではないかと思います。

グラディエーターとしてリングの中で戦い、勝利を得て新しいステージに到達することこそ本当の自由だと言えるでしょう。

まとめ

自由を手にするためには戦わなくてはなりません。

グラディエーターは闘技場に閉じ込められ、戦いを選べないような不自由さがあるように思えますが、そうではありません。

自分自身の弱さと戦い、あらゆる周りの環境に打ち勝てば、自由を手にすることができるのです。

この曲はそう歌っているのではないかと解釈しました。

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