Taylor Swift「Anti-Hero」覚えておきたい英語表現と曲の要点

◎当サイトはアフィリエイト広告を利用しています

Taylor-Swift-Anti-Hero Taylor Swift
この記事は約7分で読めます。

自分を好きになれないあなたへ。

この記事では、Taylor Swiftの「Anti-Hero」とはどんな曲なのか個人的にどんな人に聴いてもらいたいのか歌詞に登場する気になる英語表現をご紹介します。

まずは、タイトル「Anti-Hero」の意味を確認しましょう。

「Anti-Hero(アンチヒーロー)」の意味は、“ヒーローらしい資質を持っていない主人公”のことです。

では、一歩踏み込んで、ヒーローらしい資質とはどんな資質でしょうか?

「強くたくましい人」

「相手を思いやれる心やさしい人」

「勇敢な人」

「人を助けられる人」

「普通の人ができない偉業を成し遂げられる人」

映画やアニメで目にする典型的なヒーローたちは、いま挙げた資質をおおむね兼ね備えているかと思います。

これらの資質を書き出してみると、ある矛盾を感じます。

なぜテイラーが「Anti-Hero」と題した曲を歌っているのか?

テイラーは、たくましく、やさしく、勇敢で、多くの人を歌で助け、たくさんの偉業を残してきました。

「アンチヒーロー」よりも「ヒーロー」という言葉のほうが、しっくりくる人物だと思います。

でもそれは、私たち目線から見たテイラーの印象であり、テイラー自身がそう思っているとは限りません。得てして他己評価と自己評価は一致しないものです。

傍から見て完璧に見える人でも、弱さをなかなか表に出さないだけであって、家でぽつんと独りになると悩みや不安で苦しんで眠れない夜を抱えているものだとこの曲から伝わってきます。

それでは、曲の要点と覚えておきたい英語表現を3つご紹介します!

【曲のあらまし】

  • 2022年10月21日リリースの10枚目のスタジオアルバム『Midnights(邦題:ミッドナイツ)』に収録
  • アルバム内トラック:
  • 作詞作曲/プロデュース:Jack Antonoff(ジャック・アントノフ) & Taylor Swift(テイラー・スウィフト)
  • ジャンル:ポップロック・シンセポップ
  • レーベル:リパブリック・レコード(ユニバーサルミュージック傘下)

【どんな曲なのか?】

  • 自身の不安や嫌いなところについて詳細に掘り下げた曲。
    テイラー曰く、自分の嫌いな部分を網羅したガイドツアーのような曲とのこと。
    →歌詞には、自身の悩みや不安、ふさぎ込んだ心の状態や、被害妄想などが語られている。
  • 自分の人生が手に余るサイズになってしまい、自分が一人の人のように感じられなくなったことに苦しむ様子も描かれている(Verse 2にて「自分はモンスター」だと歌っている)。
    ただ、有名になったことで起きているマイナス面に対して同情を求めているわけではないとのこと。
  • 私という一人の人であるためには、自分の嫌いなところや好きなところ、全部ひっくるめて受け入れていかなくてはいけないことをこの曲で表現している。

【こんな人に聴いてほしい】

  • 自分のことが好きになれず、自己嫌悪に陥っている人
  • 自己肯定感の低い人
  • 劣等感を抱いている人
  • 自分の弱さや短所を受け入れる覚悟がほしい人
  • 己と向き合う時間を取るときのBGMにもオススメ(日記を書くときなど)

【覚えておきたい英語フレーズ3選】

それでは、この曲の歌詞から特に気になった英語表現をご紹介します。

この記事を英単語帳代わりにして、お役立てください。

graveyard shiftの意味は?

「夜勤、深夜勤務」

フレーズの構造

grave(墓)+yard(庭)=graveyard(墓地)

graveyard(墓地)+shift(交代)= graveyard shift(深夜勤務)

「夜勤」のことを英語で”night shift(ナイトシフト)”で表せるのは知っていても、こちらの類似表現を知っている人は少ないかもしれません。

この意味の語源は諸説ありますが、よく言われている語源をご紹介します。

その昔、死亡判定が甘く、死んだと思われていた人が埋葬されたあとに息を吹き返すことがあったそうです。

その場合に備えて、死者にはベルの付いたロープを握らせていました。

そのベルが鳴ればすぐに駆けつけて棺を掘りおこせるように人が配置されていたそうです。

みんなが寝静まっている深夜も墓地で仕事をしていた人がいたことから、いまの意味になったと言われています。

シフト時間の表現まとめ

早番:early morning shift
遅番:late shift
朝番:morning shift
日勤:day shift
夜勤:night shift/graveyard shift

ghost(動詞)の意味は?

「~との付き合いを急に止めて、連絡を絶つ」

ghost(ゴースト)には名詞にも動詞にもなれる単語です。

動詞の意味として、今回ご紹介した「連絡を絶つ」という意味のほかに、「ゴーストライターとして執筆する」という意味があります。

歌詞では「自分から連絡を絶った人たちがみな部屋に立っている」と、過去の人たちの亡霊に苛まれている様子が描かれています。

left to one’s own devicesの意味は?

「好き勝手にさせる/放任させる」

カタカナ語として浸透している「device(デバイス)」ですが、複数形「devices」で「意思、望み」という意味を持ちます。

直訳すると、「~の意思/望みのままにさせておく」といった意味合いです。

歌詞では否定語が付いて、「私を自分の意思/望みのまま好き勝手させてはダメ」とありますが、なぜテイラーは自分のやりたいようにやることがダメだと言っているでしょうか?

その理由について描かれているのが、次の歌詞。

「その私の意思/望みには、それと引き換えに支払うことになる代価(prices)や良からぬこと(vices)がつきもの」と。

そしてこのことは彼女だけに限った話ではなく普遍的な話だと、有名な映画の曲の一節を引用して説明しています。

それが、映画『美女と野獣』のテーマソングに出てくる”Tale as old as time”(時と同じくらい古い物語→古くからある話)です。

『美女と野獣』に出てくる野獣は、ヒーローというよりもアンチヒーロー的な存在です。

はじめは自分勝手で不器用なキャラですが、ベルとの出会いによって少しずつ変わっていき、いつの間にか応援したくなるようなキャラへと変わっていきます。

そんな野獣に、物語の中盤で、ある望みができます。ベルに愛されたいという望みです。

しかし、二人の仲をよくないと思っている恋敵ガストンによって殺されかけます。

愛を望んだ結果、それと引き換えに危機的状況に陥ることになるのです。

この部分は、アンチヒーローである野獣と自身を重ね合わせているのだと思われます。

まとめ

誰しも、自分に自信が持てなかったり、過ごしてきた環境や人間関係が原因で、自分を嫌いになることはあると思います。

それは、才能にあふれ外見も内面も完璧に見えるテイラーでも例外ではないのだと、この曲をとおして感じられます。

自分の嫌いな部分をさらけ出した自己肯定感の低い暗い曲だと捉えられるかもしれませんが、少なくとも私は重たい曲だとは思っていません。

心のモヤモヤや不安、自分の不甲斐ないところを書きなぐって吐き出してスッキリした気持ちになれる日記のような、そんな一種のセルフケアに近い曲だと感じます。

さいごに、この「Anti-Hero」にはいろんなバージョンがリリースされています。

アコーステックバージョンはもちろん、有名DJのリミックスやジャック・アントノフ率いるバンド・ブリーチャーズ(Bleachers)とフィーチャリングしているバージョンもあります。

私が個人的に好きなのは、イレニアム(ILLENIUM)のリミックスバージョンです。このバージョンを聴くと、自分の嫌いな部分も含めて自分を受け入れたくなるような前向きな気分に包まれるからです。

あなたはどのバージョンの「Anti-Hero」が好きですか?

コメント

タイトルとURLをコピーしました