【解説/考察】Wet Leg(ウェット・レッグ)「catch these fists」

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ガールズナイトを邪魔するナンパ男にこの曲を煎じて飲ませたい。

Wet Leg(ウェット・レッグ(Wet Leg)のセカンドアルバム『moisturizer(モイスチャライザー:保湿剤のこと)』2025年7月11日にリリースされます。

先行して新曲が解禁されましたが、その曲名を知ってアルバムへの期待が膨らみました。

喧嘩文句とも受け取れる表現が使われているからです。

「catch these fists」に込めらた意味は何でしょうか。

歌詞にはどんなストーリーが込められているのでしょうか。

自分で和訳してみても、人の和訳を読んでみても、「意味が分からない」「ストーリーが浮かんでこない」とお悩みの方に向けて、自分なりにかいつまんで解説します。

いろんな解釈ができるのが歌詞の魅力です。一意見として、この記事が参考になりましたら幸いです。

「catch these fists」の意味解説

「catch these fists」の意味は、文字通りに和訳すると「拳を受けとめる」です。

似た表現「catch these hands」なら知っている方もいらっしゃるでしょう。

「catch these hands」は「殴られる、パンチを受ける」という意味のスラングです。

多くの場合、シリアスなトーンではなく、ジョークっぽくけんか腰であることを伝えるときに使われます。

例文)Hey! Did you eat my cake? Buy me a new one or catch these hands.
意味)ねえ、私のケーキを食べたの?新しいのを買ってよね、じゃないと殴るよ。

歌詞の中で”catch my drift”と韻を踏むために“catch these fists”にしているものと思われますが、hands」ではなく「fists」に言い換えているところに、ジョークではなく、本気っぽさを感じさせます。

理由はどうあれ、一体「誰を」殴りたいのか。

「なぜ」そんなに怒っているのか。

次項で歌詞の内容を解説します。

歌詞の意味解説/考察

結論からお伝えすると、この曲は戦う女性を肯定した曲ではないかと思われる。

1st AL『Wet Leg』収録の「Chaise Longue」は「お前のマフィンにバターは塗っているか?」と女性に訊いてくる無礼な男目線の歌詞が話題となった。

「Wet Dream」では「キミとのエロい夢を見たんだ」と連絡してくるナヨナヨした男目線の歌詞が印象的だった。

この2曲は、そんなキモ男目線の歌詞をとおして、面白おかしく相手を皮肉っている。

しかし新曲の「catch these fists」は、これまでと切り口がちがう。

女性に対し、キモ男たちと「真っ向から戦え!」と鼓舞している。

言われっぱなしは、おしまい。

生物学的に女性は男性よりも肉体的に劣る。

しかし、それに甘んじちゃあいけない。

負けずに言い返せ。やり返せ。奴らを倒して、レベル上げてけ。

「catch these fists」からは、そんな女性の力強さが伝わってくる。

【Verse 1】言葉のジャブ

最初のヴァースは、畳みかけるような相手への質問攻めが特徴的です。

相手に身体能力を問う質問は、喧嘩腰であることを暗に示していると同時に、すでに言葉のジャブが放たれている様子が感じ取れます。

【Pre-Chorus】拳のジャブ

プレコーラスは、拳を交えたであろう結果が描かれています。

男が床に倒れ、それを喜ぶ語り手。

“ダウン(down)した相手”と“レベルアップ(up)した語り手”が対比的な構図で描かれています。

【Chorus】望まない愛

相手の愛を真っ向から拒絶し、戦うことも辞さない姿勢を示したのが、コーラスパートです。

好きでもない人からの好意は、ときに厄介。

こちら側の気持ちを度外視して、一方的に愛をぶつけてくる人は論外。

招かれざる客には、グッバイ。

相手に思いきり「ノー!」と言う勇気を与えてくれます。

【Verse 2】雰囲気クラッシャー

ヴァース2はクラブへ向かう途中で出会った、ハイ状態でリムジンを乗り回すバカなヤツを描写しています。

この歌詞には映画『フォレスト・ガンプ 一期一会(Forrest Gump)』に出てくる有名なセリフが引用されています。

Stupid is as stupid does.

『フォレスト・ガンプ 一期一会(Forrest Gump)』

「あなたってバカなの?」と訊いてくる人に対して、フォレストは決まってこう答えます。

「バカな行いをする人が、バカだ」

せっかくの楽しい夜のお出かけを、一瞬にして雰囲気を台無しにした愚か者には「catch these fists」。

制裁が必要です。

【Bridge】境界線クラッシャー

ヴァース2ではクラブへ向かう途中を描いていましたが、ブリッジではクラブでの一幕が描かれています。

「好みのタイプだ」と言い寄ってきたり、デートに誘ってきたりと、語り手は友だちと踊りにクラブに来ているのに、パーソナルスペースにずかずかと不法侵入してくる男への不快感や苛立ちが伝わる歌詞です。

さいごに:ミュージックビデオについて思うこと

ミュージックビデオを観て印象に残るが、ラジカセを頭上に掲げているリアンだ。

佇まいは、まるでボクシングなどの格闘技の合間に登場するラウンドガール(英語ではring girl)のよう。

ただし、露出度は高くとも、リアンはラウンドガールではない。

すでにさまざまなメディアでこの曲がパフォーマンスされているが、手にグローブをはめ、勇ましい力こぶをアピールするリアンの姿は、間違いなくファイターである。

そう、この曲は女性がファイターになるための曲なのだ。

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