結論から申し上げると、”knock someone back on one’s heels”とは「~(人)を驚かせる」という意味です。
直訳の「ヒールの上(on one’s heels)で誰か(someone)を後方に(back)ノックする(knock)」という意味からは、すぐにピンとこないような意味ではないかと思います。
それでは、この表現について深く取り上げていきます。
【英語力UP】なぜ”knock someone back on one’s heels”が「驚かす」?
動詞knockの意味は「(人に)衝撃を与える」です。
そこに「後方へ」という意味の副詞backが付いています。
衝撃を与えられ、驚きで後ろに一歩ひくイメージです。
そこからさらに、on one’s heels「かかとの上」という単語が付いています。
つまり、衝撃を与えられ⇒驚きで後ろに下がって⇒かかと立ちしているという状態のことです。
少しわかりづらいですが、この記事のサムネイルに添えている男の子が、この英語表現を体現しています。
驚いた表情でつま先が上がり、かかと立ちしています。
そしてこの表現には、頭の動詞knockを別の単語に置き換えて表現する場合があります。
次の2パターンです。
- set someone back on one’s heels
- rock someone back on one’s heels
今回ご紹介したknock~と同じ意味で使われるので、一緒に覚えておきたい表現です。
【まとめて覚えたい】knock backとon one’s heelsそれぞれの意味は?
派生として、今回の表現を熟語ごとに分解するとどんな意味になるのか、熟語とその意味をご紹介します。
▼ knock back A (※Aには主に「お酒の名前」がくる)
「一気に、(ときに)大量のお酒を飲む」
例:I knocked back two vodkas at my birthday.
(誕生日にウォッカを2杯がぶ飲みした)
▼ knock 人 back B (※Bには主に「大金」がくる)
「(人)にBを使わせる」
例:My new watch knocked me back several several hundred thousand yen.
(新しい時計に数十万円つぎ込んだ)
▼ on (one’s) heels
「(人)のすぐ後について」
例:A kitten has been hard on my heels.
(子猫がずっと私の後についてくる)
【実用例】サム・スミス(Sam Smith)の新作AL『Gloria』の記事より
実用例を海外音楽メディアPitchforkの記事から引用してご紹介します。
内容は、サム・スミスの新作アルバム『Gloria』についてのレビュー記事です。
Sometimes it’s a chorus or a verse that knocks you back on your heels
Pitchfork
拙訳「ときに驚かされるのは、コーラスやヴァースである」
広い音域でアルバムを彩るサムの美声を称賛したコメントにこの表現が使われています。
ビジュアル面でもサウンド面でも、私たちを存分にかかと立ちさせてくれるそんな作品になっています。
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