1より2のほうが面白い映画は、後にも先にも『ターミネーター2』しかない。そう思っていました。
その考えを変えてくれたのが、2018年に公開された『インクレディブル・ファミリー(原題 Incredibles 2)』です。
この映画、おもしろいです。オススメです。対象年齢は0歳から上は何歳でも。
「1の『Mr.インクレディブル』を観ていないんですが…」という方へ。
『Mr.インクレディブル』を観ていたほうが各キャラクターの設定が分かるのは確かです。『インクレディブル・ファミリー』では、前回のあらすじはありません。1の続きとして始まります。
(逆に前回の説明やあらすじなどグダグダする部分がない分、スッキリしていて、そこがまた良いのです)
しかし、最悪『Mr.インクレディブル』を観ていなくても『インクレディブル・ファミリー』は楽しめると思います。
なぜなら、個人的に2のほうがおもしろいと感じたからです。なので、ぜひあなたに観てほしいです。
(『ターミネーター2』は観たことあるけど、1の『ターミネーター』は観たことないという方もいらっしゃるのではと思います。)
全くネタバレなし、情報なしで観たい方は、この記事を観ずにそのまま映画をお楽しみください。
(映画の世界へ、いってらっしゃいませ!)
「何かホリデーシーズンに面白い映画ない?」「この映画気になっているけど、背中を押してほしい」という方は、どうぞそのまま読み進めていただければと思います。
あらすじ
彼らは、どこにでもいるフツーの家族ではない。パパもママも3人の子供も、それぞれ異なるスーパーパワーを持ったヒーロー家族である。超人的なパワーをもつパパ、ボブ、伸縮自在なゴム人間のママ、ヘレン、超高速移動できる長男ダッシュと、鉄壁バリアで防御できる長女ヴァイオレット。さらに、スーパーパワーに目覚めたばかりの赤ちゃんジャック・ジャック…その潜在能力は、未知数。“家事も育児”も“世界の危機”も、驚異のスキルと家族の絆で乗り越える家族の姿を描いた一家団結アドベンチャー。
Disney公式
公式の紹介では「どこにでもいるフツーの家族ではない」と言っていますが、いい意味で「どこにでもいるフツーの家族」だと思います。その理由は見どころ①で説明します。
スタッフ&キャスト
[スタッフ]
Disney公式
脚本&監督:ブラッド・バード
製作:ジョン・ウォーカー、ニコル・パラディス・グリンドル
製作総指揮:ジョン・ラセター
オリジナルスコア:マイケル・ジアッキーノ
[キャスト/声優]
Disney公式
ボブ・パー/Mr.インクレディブル:クレイグ・T・ネルソン(三浦友和)
ヘレン・パー/イラスティガール:ホリー・ハンター(黒木瞳)
ヴァイオレット・パー:サラ・ヴァウエル(綾瀬はるか)
ダッシェル・パー(ダッシュ):ハック・ミルナー(山崎智史)
イヴリン・ディヴァー:キャサリン・キーナー(加藤有生子)
ジャック・ジャック・パー:イーライ・フシール(イーライ・フシール)
ウィンストン・ディヴァー:ボブ・オデンカーク(木下浩之)
ルシアス・ベスト/フロゾン:サミュエル・L・ジャクソン(斎藤志郎)
ヴォイド:ソフィア・ブッシュ(小島瑠璃子)
エドナ・モード(E):ブラッド・バード(後藤哲夫)
アンダーマイナー:ジョン・ラッツェンバーガー(髙田延彦)
ヘレクトリクス:フィル・ラマール(サンシャイン池崎)
見どころ①そこにあるものは、どの映画よりも日常だった
ディズニー映画といえば、ご存じアニーメーション映画です。
アニメの中では、少なからず非日常的なことが普通に起こりますよね。
特にディズニー映画では、動物は喋ります。登場人物は急に歌い始めます。それがディズニー映画の良さとも言えます。
非日常的で思わず観たくなる明るい設定の中に普遍的な重いテーマを盛り込んでいるのです。
しかし、『インクレディブル・ファミリー』は違います。
「いやいや。家族は全員特殊能力を持っている時点で、非日常じゃないか!」とあなたは思われるかもしれません。
現実の世界にそんな能力を持ったスーパーヒーローはいないので、この設定の時点で鑑賞をちゅうちょする方もいらっしゃるかもしれません。
でも、それは早合点だと思って、どうか騙されたと思って見てください。
確かに、特殊能力を持った家族が主人公の映画ですが、その設定以外のことについてはどの映画よりも細かく日常を描いています。
例えば、家族には14歳の娘、ヴァイオレットがいます。
思春期の彼女は、あることがきっかけで塞ぎ込んでしまうのですが、その時の特殊能力の使い方が巧妙なんです。
やけ食いしようとバケツに入ったアイスクリームを冷凍庫から取りに行くんですが、近くには父親がいます。
父親に話しかけられたくないのか、やけ食いする自分に少しは罪悪感があるのか、彼女は透明化できる特殊能力を使って取りに行きます。
特殊能力使いどころと、リアルで描いてもおかしくない思春期の日常を切り取っている点に驚かされます。
もう1つ例を挙げるなら、10歳の息子ダッシュが抱える算数の宿題についてです。
母親が不在のため、仕方なく父親に算数の解き方を教えてもらうことにしました。
しかし、父親が子どもの頃に教わった解き方と、ダッシュが今習っている教科書の解き方が違うのです。
「なんで解き方を変えるんだよ!」父親は声を大にして叫びます。
この父親と息子のやり取りも、アニメーションでは見られないほど緻密に日常を描いています。
最後に、何より観てほしいポイントが、顔の「皺(しわ)」です。
ディズニー映画は色々と観ていますが、ここまで顔のしわを付けている映画はほかに観たことがありません。
眉をひそめる時にグッと入る、眉間のしわ。あきれた時や驚いた時に入る、おでこのしわ(特にお父さんのおでこのしわはwi-fiみたいになります)。
元々、アニメーション映画は表情豊かですが、それを最大限活かして、かつ、大げさにはならない程度の分かりやすさで、日常の表情を捉えている点はこの映画でしか観られないと思います。
ぜひ顔の表情に注目して鑑賞してみてください。
見どころ②常識の枠を外れてみる
この映画の肝は「常識の枠を外れてみる」ことにあります。
英語ではoutside the boxと言うのですが、既存の枠や箱から外に出てみるということです。
例えば、映画の設定では、ヒーロー活動は法律で禁止されています。
しかし、法律で決められているからと言って、言われるままの人生はヒーロー一家にとって幸せでしょうか?
「常識の枠を外れてみる」その①は、法律という枠をはみ出してヒーロー活動を行い、認めてもらう(法律を変えてもらう)ということです。
さらに、映画ではイラスティガールこと母親のヘレンが仕事復帰してヒーロー活動を行い、 Mr.インクレディブルこと父親のボブが子育てを行います。
「常識の枠を外れてみる」その②は、「男は仕事、女は家庭」ではなく「女は仕事、男は家庭」という設定です。
女性の社会進出が当たり前になり、男性も育児に積極的に関わるようになったことで、イクメンや主夫という言葉も一般的になった現代社会では、映画のように「女は仕事、男は家庭」自体が常識になりつつあるのかもしれません。
そして、映画を鑑賞していて最も驚いた点は、ボス戦です。
「常識の枠を外れてみる」その③は、「いつものボス戦じゃないぞ」です。
既存のボス戦といえば、一番の盛り上がりポイントです。
カーチェイスに、ダイナミックな爆発シーン、主人公が危機的状況に陥るハラハラシーン、等々、いい意味でも悪い意味でも長い尺を取ります。
途中までよかったのに、最後のボス戦がいろいろ詰め込みすぎでダラけてしまった映画はいくつもありますが、『インクレディブル・ファミリー』は一味違います。
ネタバレになるため詳細は伏せておきますが、既存のお決まりのボス戦ではないことは断言できます。
さいごに
『インクレディブル・ファミリー』はスーパーヒーロー一家という普通じゃない家族の話ですが、内容は家族が抱える日常の問題を細やかに描いた普通の家族の話です。
あなたが何歳でも楽しめます。
1人で観ても、友だちと観ても、家族で観ても、恋人と観ても、楽しめます。
この記事をとおして映画に対する熱量があなたに伝われば幸いです。
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