Sia(シーア)「Chandelier(シャンデリア)」の意味は?【解釈】

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Sia(シーア)_Chandelier(シャンデリア) Sia
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この曲の意味を先に知りたい人向けに、先に結論を伝えておきます。
この曲は、「自身の弱さや醜態を惜しげもなく晒し、かりそめの快楽にすがりつく人(シーア)」を描いた曲です。

ソングライターとして楽曲提供を行ってきたシーアにとって、もともと「Chandelier(シャンデリア)」はリアーナにプレゼントするための曲だったという。(裏取りはこちらのYouTubeインタビュー動画から。)

控えめに言っても最高傑作の出来だったと自負するシーアだが、リアーナはなぜか受け取らなかった。

それもそのはず。この曲は、シーアの過去の醜態をえぐり出した作品だからである。
もし別次元にシーアではなくリアーナが歌っていた世界があったとしても、この曲はヒットしたに違いない。しかし全く同じ売れ方をしたかと言えば、それは違う気がする。過去のストーリーはシーアの物語である。熱の入れようが違う。

リアーナが断ったのなら、別のアーティストに…と別の提供先を探すところだが、シーアは自ら歌うことに決めた。その決断は世間の反応と曲の売れ行きを見る限り、正しいように思う。

この曲は、シーア、あなたにしか歌えません。
思い入れの深さは、他でもないシーアが誰よりも強いはず。

曲の概要と周辺情報はこのくらいにして、本文では歌詞の考察といくつかの英語表現をご紹介します。

この記事は以下の読者を想定して書きました

・曲を自分なりに和訳してみたものの、曲の意味が分からなかった人
・歌詞に出てくる英語表現から英語を学びたい人
・いろんな解釈ができる中、一視点の解釈を読みたい人
・「シャンデリア」という言葉に凝縮された意味を知りたい人

この曲はこんな人にオススメ

・自分のダメっぷりや醜態を肯定してほしい人
・いま人生のどん底にいる人
・涙が枯れるまで泣いた人
・何らかの依存症で、今の状況から抜け出したい人
…など。

歌詞の解釈と学べる英語表現

【Verse 1の解説】

【解釈】「パーティ好きの女たちは傷つかない 」それって本当!?

この曲はシーアのアルコールと薬物中毒の経験を元に書かれています。

「パーティ好きの女たち」とは、つまりシーア自身のことを指しています。冒頭では「傷つかないし何も感じない」と歌っています。

でもそれって本当?文字通りの意味ではなさそうです。

人間なら誰しも傷つき、いろいろな感情に襲われることがあるはずです。「傷つかないし何も感じない」と自分に言い聞かせているように感じます。

なぜ「傷つかない」と書いたのか?
「パーティーガールズ」という言葉選びをした理由を考察します。

思考が停止するほどの音楽がギャンギャン鳴り響くパーティー会場にいれば、考えたくない何かを感じずに済むかもしれません。お酒やドラッグを手に入れて、嫌なことは一時的に忘れられるかもしれません。パーティーガールでいれば、傷つかずに済むかもしれません。

でもそれでいいわけない。

この曲は、シーアにとって過去の醜態を置き去りにするための掃き溜めに思えてなりません。
自分のイヤな部分を洗いざらい全部吐き出して、浄化しようとしているのではないかと思います。

【解釈】「感情を抑え込む」その真意は?

自分の感情を思い通りにコントロールできたらいいのにと思ったことはありませんか?
自分が望んでいなくても、不安や恐怖といった感情は突然生まれ、私たちの心を蝕んできます。

シーアは何も感じないように感情を抑え込もうとしています。

これは何を意味するのでしょうか?

抑え込むという行為は、対象となっている感情の勢いが凄まじいことを表しています。
不安、恐怖、焦り、などの生まれてほしくない感情の勢いが増す。抑え込む。何も感じないようにパーティに走る。かりそめの快楽に走る。

悪循環です。

シーアの人生に「どん底」という言葉が存在するのなら、間違いなくこの歌詞を書いていた時ではないかと想像します。

【解釈】かりそめの快楽を求める先に待っているものは?

「テレフォンセックス」も「お酒」も「ドラッグ」も、手軽に快楽を手にすることができるものの一例です。

でもその先には何があるのでしょうか?

何もありません。何も残りません。

Verse 1最後のラインでは、テレフォンレディという立場から1つの気づきを与えてくれます。
●電話がたくさん掛かっている→多くの人に求められて愛されている”と感じる”

それは本当の愛でしょうか?違います。

表面的で一時的な喜びや快楽というのは、長くは続きません。

【英語表現】for a good time, callの意味は?

(性的な意味で)「いい時間を過ごしたいなら、電話して」という宣伝文句を指します。

テレフォンセックスを題材にした映画があり、この英語表現がそのまま映画のタイトルになっています。※日本では公開されていません。

歌詞では「都合のいい女」というニュアンスで使われています。

【英語表現】blow upの意味は?※「吹き飛ぶ」の意味ではなく…

「有名になり、成功し、短い時間の間、尊敬されること」

“blow up”でよく使われる意味は「爆発する、吹き飛ばす」です。そこから転じて「そこに人気が集中する」といった使い方もします。

blow up
To become famous, successful, and respected usually within a small amount of time.

Urban Dictionary

歌詞では前に「電話(Phone)」が付いているので、「(テレフォンレディのように)電話が鳴りっぱなし」といったニュアンスです。

[Pre-Chorusの解説]

【英語表現】throw backの意味は?

「お酒を勢いよく飲む」

直訳の「後ろに投げる」から、throw backは「前進を阻む」「後戻りさせる」といった意味があります。そういった語感から、お酒を一気飲みしたときにグラスが真っ逆さまになる(throw back)→「お酒を勢いよく飲む」の意味もあります。

[Chorusの解説]

【解釈】「涙が枯れるとき」の行間に含まれているものとは?

「涙が枯れるまで泣く」という表現はどうやら世界共通のようです。

涙が枯れて初めて、自分の流してきた涙を感じる。

発想を逆に考えると、涙が出ている間は泣いているうちに入らないということです。それほどたくさんの涙を流してきたことが行間から読み取れます。

【問題提起】シャンデリアは何を意味しているのか?

この曲のタイトルになっているシャンデリアは何を指すのでしょうか?

シャンデリアがどの時間帯で使われるものなのかがヒントになっています。
正解は次の歌詞パート、Post-Chorusで明らかになります。

[Post-Chorusの解説]

【解釈】究極の現実逃避法とは?

コーラスでは「シャンデリアにぶら下がって」いましたが、ポストコーラスでは「今夜にしがみついて」います。

シャンデリアにしがみつくように、今夜にすがりつく。
「シャンデリア」の正体は「今夜」でした。

ではなぜ、シーアは今夜にすがりついているのでしょうか?

現実と向き合いたくないからと捉えるのが、ストーリーの流れからして腑に落ちます。
向き合おうとすれば、待っているのは抑え込んでも抑え込んでも湧き上がってくる感情です。(Verse 1参照)

目を瞑る行為は、目の前で起きていることを直視したくないことの表れです。

夜が明けるまでグラスを満たしたままにすることで、現実から逃避しています。

逆に現実から目をそむけているからこそ、シャンデリアに飛び移ったり、浴びるようにお酒を飲んだりといった、無鉄砲な行動が取れるのです。

でも、なぜシャンデリアなのか?

パーティーに明け暮れていたのなら、ミラーボールのほうがしっくりきます。

リズムに合っているからと言われればそれまでですが、それで思考停止したくありません。

シャンデリアから連想される言葉は、「豪奢」「優雅」「気品」「格式高さ」です。
そういった言葉から想像するに、シーアは一縷の望みを込めて「シャンデリア」と名付けたのではないかと思います。

希望の光です。

酔っぱらって、へべれけでどうしようもない自分だけど、望みは捨てたくない。今の自分に足りない「気品」や「優雅さ」を、シャンデリアにしがみつくことで、あたかも自分が兼ね備えているように見せているのかもしれません。

【英語表現】hold on for dear lifeの意味は?

「必死にしがみつく」

hold onで「~につかまる、持ちこたえる」、for dear lifeで「必死に」という意味の表現です。
手紙やメールの文頭にDear 〇〇,(親愛なる〇〇さんへ)と使うことがあると思います。今回の表現は、直訳の「親愛なる人生様へ」の意味から、人生を粗末に扱っていない必死さが感じ取れますね。

[Verse 2の解説]

【解釈】救いはある

夜が明け、太陽の光を浴びながら、シーアは恥じています。悔いています。

自分の醜態を恥じているということは、現実と向き合い始めた明るい兆しです。

現状を変えなくてはいけない、このままではいけない。そうシーアは気づいています。

自尊心を取り戻し、「シャンデリア」がいらなくなる日がきっと来ます。

まとめ

「脆さ」と「力強さ」という言葉は、相反する言葉です。

でもこの曲の歌詞を理解しシーアの歌声で聴くと、この2つの言葉が共存していると思えてきます。

愛に飢え、寂しい心の隙間を埋めるために飲酒に走る。 心の脆さを認めつつ、必死でもがいて、もがいて這い上がろうとする力強さと生命力。

この曲は、シーア以外に歌える人は誰もいないのです。

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