結婚式・披露宴で流れるBGMなんて、誰も聞いてない。
そう思う方がいるかもしれません。
でも、あなたが選んだ曲を聴いてくれる人は必ずいます。
実際私の結婚披露宴では、親族・友人の数人と結婚式関係者の方が、選曲のことを褒めてくれました。
中でも式場専属カメラマンに「今までいろんな結婚披露宴に参加しましたが、選曲で鳥肌立ったの初めてです」と褒めてもらったことは今でも覚えています。
あなたが選ぶ楽曲も、きっと聴いてくれている人がいるはずです。
だから、あなたのBGM選びのご参考となるような、いろんなゲストの心を掴んだ洋楽をご紹介します。
選曲で気をつけるべき3つのポイント
まず、結婚披露宴で流すBGMを選ぶ際に、洋楽好きの私が気を付けた点は3つです。
- 全世代が楽しめる曲かどうか
- 失恋ソング(失恋ワード含む)ではないか
- 露骨な表現が含まれていないかどうか
なぜこのポイントが大事なのか、次項で詳しく説明します。
全世代が楽しめる曲かどうか
ついつい自分たちの好きな曲やアガる曲を選んでしまいがちですが、いったん立ち止まって考えなおしました。
何のための結婚式や披露宴なのか?
結婚式や披露宴は誓いの場ではありますが、お世話になった親族や友人、会社の人などを招いて、ゲストに感謝を伝えたり、もてなしたりする場でもあります。
周りの支えてくれる人たちがいてこその、私(たち)です。
いくら自分たちが主役だからといって、ゲストをおもてなす気持ちをおざなりにして、独りよがりの選曲に走ってはダメだと気づきました。
だからこそ、最終的に自分の結婚式に選んだ楽曲は、同世代~親世代まで幅広い年代の人が知っていそうな往年の名曲ぞろいです。
自分だけが知っている曲ではなく、自分も楽しめて、ゲストも楽しめる、そんな曲を第一に考えました。
でも、どうしても結婚式で流したい曲、個人的に好きな曲、思い入れのある曲もあったんです。
そういう曲は、ゲストの注目を集める特別なシーンではなく、歓談の席でうっすら流すことで、バランスを取りました。
失恋ソングを選んでいないかどうか
大好きな曲だったとしても、歌詞をよくよく和訳して調べてみるとそれが失恋ソングだったり悲しい曲だったりすれば、候補から外しました。
失恋ソングではなくても、歌詞の中に「別れる」という表現が含まれているものも例外ではありません。
結婚式の定番曲として堂々の人気を博しているブルーノ・マーズ(Bruno Mars)の「Marry you」には、歌詞の中に「別れる」を意味する「break up」が入っているので取り扱い注意です。
結婚式は、これから二人の人生が始まるという大事な門出の席です。
「別れ」や「失恋」を仄めかした曲や歌詞には、注意しましょう。
露骨な表現が含まれていないかどうか
洋楽の歌詞には、性的な表現や暴力的な表現が含まれていることがよくあります。
たとえ英語の歌詞の意味をゲストが理解していなくても、両親や親戚、親戚の子どもたちなども集う結婚披露宴の席で、そういった表現が含まれた曲を流すのは気まずさがあります。
そういった露骨な表現が含まれている楽曲のことを「エクスプリシット(explicit)」と言います。
SpotifyやApple Musicなどの音楽ストリーミングサービスでは、「EXPLICIT」 または「E」マークが曲名の横に表示されています。
アーティストによっては、露骨な表現を含む「explicit version(エクスプリシットヴァージョン)」とは別に、不適切な表現を排除した「clean version(クリーンヴァージョン)」もリリースしています。
どうしてもその曲を流したい場合は、その曲のクリーンバージョンがないか探してみましょう。
また、楽曲に「エクスプリシット(explicit)」のマークがなかったとしても、性的な表現を仄めかした歌詞も数多くの楽曲で散見されるため、和訳してみてそういった暗示がないか確認が必要です。
結婚式の「入場」で使った洋楽と選び方
ここからは、以上の3つの基準をすべてクリアした洋楽をご紹介します。
結婚披露宴には、入場するタイミングが2つあります。
1つは最初の入場、もう1つはお色直し後の再入場です。
それぞれの入場には、自分なりにイメージとする方向性があり、次のことを満たす洋楽を選びました。
- 最初の入場曲は、二人が結婚式というハレの日を迎えるまでを表現できるような初々しい曲
- お色直し再入場曲は、二人のこれからを歌詞に込めた決意表明のような曲
【最初の入場曲】The Beach Boys「Wouldn’t It Be Nice」
最初の入場時に流した洋楽は、1966年にリリースされたThe Beach Boys(ザ・ビーチ・ボーイズ)の「Wouldn’t It Be Nice(邦題「素敵じゃないか」)」です。
- 再生指示:頭から流し、開始14秒の歌い始めで扉オープン
- 曲のテーマ:二人の待ち遠しい未来、理想の生活
- 歌詞の意味:若い恋人たちが、「今後も二人で過ごしていけたら素敵じゃないか」と待ち遠しい未来に思いを馳せている
- 選曲理由:若い恋人たち目線で歌われるこの曲で初々しさを演出しつつ、歌詞で語られる「理想の生活」が結婚を機に現実化されることを表現したかったから。「理想の生活」には、「隣で一緒に目覚めること」「将来結婚して幸せになること」などのたくさんの素敵なことが含まれています。
音楽もさることながら、ミュージックビデオも結婚式にピッタリです。
1966年7月18日にリリースされた曲ですが、2022年9月17日にMVがアップされています。
じつは、ビーチ・ボーイズの4つの名曲のMVを観ると、1つの物語が完結する仕組みになっています。
- 第1章:「Barbara Ann」
- 第2章:「Don’t Worry Baby」
- 第3章:「Wouldn’t It Be Nice」
- 第4章:「God Only Knows」
第3章の「Wouldn’t It Be Nice」は、恋に落ちた高校生の二人が、二人だけの世界を楽しんでいる様子が描かれたMVです。
順番にMVを観ていたら、きっと「Wouldn’t It Be Nice」以外の3曲も使いたくなってくるでしょう。
また、結婚披露宴だけでなく、自作のプロフィール動画(ムービー)のBGMに使うのも良いと思います。
ビーチ・ボーイズの音楽には、普遍的なテーマがあります。
それは、「青春」と「恋をしているときの感情」です。
二人のはじまりを彩る楽曲として、ビーチボーイズの楽曲を強く推薦します。
【お色直し入場曲】Steppenwolf「Born To Be Wild」
どんなお色直しをするかによって、使う楽曲は変わってくるかと思います。
私は最も一般的なパターンで、純白のウェディングドレスからカラードレスへの衣装替えです。
お色直しを終え会場に再入場する際に流した洋楽は、1968年にリリースされたSteppenwolf(ステッペンウルフ)の「Born To Be Wild(邦題:ワイルドでいこう!)」です。
(断っておきますが、私も夫もバイカーではありません。)
- 再生指示:頭から流し、開始14秒の歌い始めで扉オープン
- 曲のテーマ:自由・冒険・反抗的な精神
- 歌詞の意味:自分の本来の姿を受け入れ、自由に冒険心を持って生きること
- 選曲理由1:ウェディングドレスからの変身という場面で、解放感と爆発力と力強さを曲で表現したかったため。
この曲を選んだ理由には、もう一つあります。
「お色直し」には「相手の家に染まる」という意味が込められています。
相手のご家族のことは大好きですが、女性側だけが一方的に相手方に合わせるという前時代的なお色直しの意味が、どうも腑に落ちずにいました。
夫婦の形はさまざまだとは思いますが、女性側からの一方的な歩み寄りではなく、相互的なものではないかと思っています。
ときに、お互いに歩み寄り、妥協し合い、成長し合う。
それが私(たち)の思う夫婦の形です。
だから、「相手に染まる」という意味とは正反対の意味となる、束縛からの解放をテーマにしたこの曲を流しました。
結果、この曲の盛り上がりとカラードレスのインパクトの相乗効果で、再入場曲は披露宴で一番盛り上がる瞬間となりました。
私は「人生とは冒険」だと思っているので、共感していただける方にはおすすめの曲です。
結婚式の「乾杯」で使った洋楽と選び方
乾杯シーンで流れる曲というのは、乾杯の音頭を取ってくれる人がスピーチをして最後に「かんぱーい!」と言った直後に流れ始めるということです。
せっかくの乾杯の挨拶を台無しにしてしまわないように、以下の点に気を付けて曲を選びました。
- 頭からすぐにサビが流れて、盛り上がれる曲
- 乾杯っぽいイメージの曲
【乾杯曲】Michel Polnareff「Tout, tout pour ma chérie」
乾杯曲に選んだ洋楽は、1969年にリリースされたMichel Polnareff(ミシェル・ポルナレフ)の「Tout, tout pour ma chérie(邦題:シェリーに口づけ)」です。
- 再生指示:頭から流す
- 曲名の意味:私の愛しい人に全てを捧げる
- 曲のテーマ:愛情・献身
- 歌詞の意味:私の全てを君に捧げるから、ずっと私のそばにいてほしい
- 選曲理由:乾杯で使われるシャンパンから発想を飛ばし、シャンパンの産地フランス→フランス語のこの曲にした。
この曲は、50年以上前の曲ですが今聴いても色褪せない名曲です。
乾杯の曲選びには一番苦戦しましたが、一発目の音から盛り上がる感じがあって、気品があって、シャンパンに合いそうな曲は、この曲のほかにないと思います。
結婚式の「ケーキ入刀」で使った洋楽と選び方
ケーキ入刀時は、新郎新婦の最初の共同作業と言われる結婚式で定番の儀式です。
選曲には次のことに気をつけて選びました。
- ロマンチックになりすぎない曲(狙いすぎない曲)
- 儀式っぽくならないような軽さのある曲
【ケーキ入刀曲】Earth Wind & Fire「September」
ケーキ入刀曲に選んだ洋楽は、1978年にリリースされたEarth Wind & Fire(アース・ウィンド・アンド・ファイアー)の「September(セプテンバー)」です。
- 再生指示:頭から流す
- 曲のテーマ:真実の愛
- 歌詞の意味:9月に愛し合った2人が、相手への気持ちは紛れもない愛だと気づき、12月に再会を果たす
- 選曲理由:ケーキ入刀にはゲストに幸せをおすそ分けするという意味も込められているため、みんなが幸せな気分になれるような曲にした。
この曲は、いろんな映画やCMで起用されているので、幅広い年齢層の人が認知している洋楽です。
パーティー感はあるけれど、はっちゃけすぎていない、心地よいテンポの曲です。
また、乾杯曲とは対照的に、サビに向けてだんだんと盛り上がっていく曲なので、1分ほどのケーキ入刀の準備(ケーキの前に移動したり、ゲストが写真を撮りに集まったりする)から流し始め、ちょうどケーキ入刀のタイミングと曲自体の盛り上がりのタイミングが同じくらいになります。
結婚式の「退場」で使った洋楽と選び方
花束贈呈や両家の挨拶、新郎挨拶まで終われば、最後は新郎新婦の退場です。
楽しい場が終わろうとする退場のタイミングでは、この楽しさがや幸せのムードが永遠に続くように次のことを念頭に選びました。
- しっとりしすぎない曲(狙いすぎない曲)
- 明るく退場できる曲
【退場曲】ABBA「Dancing Queen」
私が、退場する時に流した洋楽は、1976年にリリースされたABBA(アバ)の「Dancing Queen(ダンシング・クイーン)」です。
- 再生指示:頭から流す
- 曲のテーマ:若さ、自由、純粋な楽しさ
- 歌詞の意味:ディスコで踊り、自分自身を解放しその瞬間を最大限に楽しむ
- 選曲理由:ナイトウェディングだったこともあり、退場時の夜の雰囲気にマッチしたこの曲にした。
この曲は、スウェーデン(アバの出身)国王の結婚披露宴で初めて披露されました。
結婚式にはもってこいの曲です。
私は「退場曲」に採用しましたが、ほかのシーンで使っても必ず盛り上がるに違いないでしょう。
まとめ
色んな洋楽を紹介してきましたが、つまるところ一番大事にした点は「ゲストをもてなす気持ち」ですす。
結婚式の演出を考えるときは、「ゲストファースト」の気持ちがありますが、BGMを考えるとなると、その気持ちが薄れてしまいがちです。
人は、自分の知っている曲が流れると、テンションが上がるものです。
自分より下の世代、同世代、自分より上の世代、できるだけ多くの人に楽しい時間を過ごしてもらいたいという思いで曲を選びました。
何年たっても色褪せない洋楽の名曲は、あなたの結婚式を色褪せない特別な日に彩ってくれるでしょう。
あなたのBGM選びのご参考になれば幸いです。
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