【ジョジョと洋楽】スティッキー・フィンガーズ-元ネタ意味解説-

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ジョジョの奇妙な冒険5部に登場するブローノ・ブチャラティのスタンドといえば、ジッパーを生み出す能力を持った「スティッキー・フィンガーズ」です。

その元ネタは、イギリスのバンド、ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)のアルバム名『Sticky Fingers』に由来します。

ではこのアルバムは、どんなアルバムなのでしょうか。

「sticky fingers」とは英語でどんな意味なのでしょうか。

ジョジョに出てくるローリング・ストーンズのオマージュシーンはどこでしょうか。

これらの疑問をこの記事で解説します。

この記事のコンテンツ
  • 【アルバム解説】テーマはドラッグ?
  • 【ジャケット解説】本物のジッパー
  • 【英語解説】sticky fingersの意味
  • 【オマージュ解説】ブチャラティの舌と指

【アルバム解説】『Sticky Fingers(1971年)』

1971年にローリング・ストーンズのイギリスでの9枚目のアルバム『Sticky Fingers』がリリースされました。

この作品は、彼らが自身でレーベルを立ち上げてから初めてリリースされた作品です。

ローリング・ストーンズの有名なシンボル、真っ赤な唇に飛び出したベロが印象的な「ベロ・マーク」が初めて使われたのも、このアルバムからです。

余談ですが、5部の主人公であるジョルノのスタンド名ゴールド・エクスペリエンスの元ネタとなったプリンスのアルバム『The Gold Experience(ゴールド・エクスペリエンス)』は、プリンスという名前を捨て改名後に初めて出したアルバムです。

音楽活動の自由を求めてレーベルとの戦いの末にリリースしたこの2つのアルバムには、反骨精神の表れ、新しい風を感じさせます。

『スティッキー・フィンガーズ』にはどんな曲が収録されているかというと、10曲のうち半分以上が「ドラッグ」を連想させるものとなっています。

“brown sugar”、”horse”、”Sister Morphine”、などドラッグの隠語が歌詞に散りばめられているのが特徴です。

ただ、単にドラッグ使用のことを直接的に歌ったアルバムというよりかは、ドラッグがもたらすあらゆる感情を詰め合わせたのではないかと思います。

具体的には、恐ろしさ・喪失感・孤独・痛み・欲望・快楽・倦怠感などの感情が、10曲の中に複雑に混ざり合っている印象です。

【ジャケット解説】

ジャケットデザインは、絵画『キャンベル・スープの缶』で有名なアンディ・ウォーホルが手掛けています。

レコードしかなかった当時、ジーンズを穿いた男性のジッパー部分には、本物のジッパーが取り付けられていたらしいです。

荒木先生は、レコードに取り付けられた本物のジッパーを上げ下げして、スタンドを思いついたのかもしれません。

【英語解説】sticky fingersの意味

「sticky fingers」は直訳すると「ベトベトした指」ですが、「have sticky fingers」の形で慣用句として使うと「盗み癖がある、手癖が悪い」という意味があります。

例文:Be careful with your luggage around Jorno, Koichi-kun. He has sticky fingers.
意味:康一くん、ジョルノの近くでは荷物に気をつけてね。彼は手癖が悪いんだ。

語源には諸説ありますが、採掘場で指にハチミツや樹液を指に付けて、わずかな金を盗もうとしたことに由来しているのではないかと言われています。

ローリング・ストーンズのアルバム『Sticky Fingers』は直訳の意味なのか、それとも慣用句の意味なのか。

全曲の歌詞を読みこみましたが、「Sticky Fingers」に関する言及はありません。

「ベトベトした指」も「窃盗」といった表現も、出てきません。

キース・リチャーズは、「『Sticky Fingers』はアルバム制作時の仮タイトルで、採用するつもりはなかった」とインタビューで答えています。

意図的に考え抜かれたタイトルではなかったからこそ、意味深な響きが人々の興味をそそり、魅力的なアルバムタイトルになったのかもしれません。

【オマージュ解説】

ここからは、ジョジョ5部に登場するローリング・ストーンズやアルバムのオマージュシーンをご紹介します。

ローリング・ストーンズの有名なシンボルと言えば、「ベロ・マーク」。

「舌」といえば、ジョジョ5部にも印象的なベロ出しシーンがあります。

それは、ブチャラティの初登場時にジョルノの汗を舐めて嘘を見抜くというもの。

この汗を舐めてその味で嘘か否かを判断する能力は、このシーンしか出てきません。

物語に直接関わらないものの、ブチャラティの初登場にさらりとベロを出す描写を入れたのは、荒木先生によるストーンズへの敬意の表れなのかもしれません。

「舌」同様に、ブチャラティの初登場シーンで印象的なのが、スティッキー・フィンガーズの能力によってジョルノの口からルカの指が飛び出てくるというものです。

フィンガーズという名にちなんで「指」が目立つようなシーンを登場させたのではないかと考えられます。

また、このシーンはスペイン盤ジャケットのオマージュの可能性もあります。

スペインでは、オリジナルのジャケットが卑猥すぎると拒否され、ジャケット変更を余儀なくされたそうです。

しかし、変更後のスペイン盤というのは、糖蜜の缶詰の中から3本の指が飛び出したデザインで、卑猥さはオリジナルとあまり変わらないように思います。

糖蜜漬けされたネバネバの指、つまりスティッキー・フィンガーズというわけです。

さいごに

ブローノ・ブチャラティは、ドラッグと結びつきの強いキャラクターです。

麻薬がらみで父親の命が危ぶまれ、父を守るためにギャングに入団するも、その組織が麻薬の密売に関係していることを知り、葛藤します。

そして、奇しくもスタンド名となったローリング・ストーンズのアルバム『Sticky Fingers』はドラッグを想起させるような曲が多く収録されています。

荒木先生が意図的に付けたかどうかは定かではありませんが、奇妙な運命を感じます。

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