映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』のために創られたのが、今回ご紹介する映画と同タイトルの「No Time To Die」です。
映画の台本を一部読んだ後に、ビリーと兄のフィニアスはこの曲の作曲を始めたので、映画の内容に踏み込んだ歌詞になっています。
一体どんな内容なのか、確認してみましょう。
解釈
I should have known
Genius
I’d leave alone
Just goes to show
That the blood you bleed is just the blood you owe
We were a pair
But I saw you there
Too much to bear
You were my life, but life is far away from fair
Was I stupid to love you?
Was I reckless to help?
Was it obvious to everybody else?
気づくべきだった
独りで立ち去れた
はっきりしたのは
あなたが流す血は自業自得だってこと
私たちは二人で一つだった
でもあなたがあそこにいるとは
とても耐えられない
あなたは私の人生だった
その人生はフェアからほど遠い
あなたを愛す私が愚かだった?
手を差し伸べる私が無謀だった?
ほかの誰から見ても明らかだった?
【文法】should have known
自分の身に起きる悪いことを予想できたはずなのに不注意で見抜けなかったことを悔いる時に使う表現です。
【短縮形】I’d
よく使われる短縮形”I’d”には3パターンあります。
I hadかI shouldかI wouldのうちのどれかを指し、次に続く動詞の形によって判断します。
“I’d”の後に過去分詞が来れば、I hadの省略、”I’d”のあとに動詞の原形が来れば、I shouldもしくはI wouldの省略ということになります。
今回の場合、”I’d leave~”と”leave”が動詞の原形になっているので、I’d=I should/I wouldの意味になります。ちなみに、次の節にある”I’d fallen~”は”fallen”が過去分詞になっているので、I’d=I hadの過去完了の意味になります。
【英語表現】Just goes to show: 分かったわ
文頭の”it”が抜けていますが、”It just goes to show that”で「~ということがわかる、~ということを証明している」という意味になります。
That I’d fallen for a lie
Genius
You were never on my side
Fool me once, fool me twice
Are you death or paradise?
Now you’ll never see me cry
There’s just no time to die
すっかり嘘に乗せられた
あなたは一度も私の味方じゃなかった
一度ならず二度までも私を欺く
あなたが招くのは死?それとも楽園?
もう二度と私の泣き顔を見ることはない
死ぬ暇すらない
【英語表現】fallen for: 好きになる、騙される
“fall for”には2つの意味があります。
1つは「好きになる、惚れる」という意味で、もう1つが「騙される、引っかかる」という意味です。全く意味が異なる2つの表現ですが、この歌詞ではどちらのニュアンスでも通じるダブルミーニングになっています。
【英語表現】There’s just no time to: ~する暇はない、時間はない
I let it burn
Genius
You’re no longer my concern, mmm
Faces from my past return
Another lesson yet to learn
苦しむだけ苦しみ
今はもうあなたを気にしてない
過去の顔ぶれが戻ってくる
また別の教訓が待ち受ける
【英語表現】let it burn
相手に捨てられた時にどんな感情を抱きますか。
悲しみだったり、怒りだったり、それでも嫌いになれない愛情だったり。失恋経験のある人なら誰しも感じたことがある感情。それがここの”it”です。では”let it burn”にはどんな意味があるのでしょうか。
直訳すると、「感情を燃やしたままにする」という意味です。人は、いくら失恋時のつらい感情を払拭しようとしても、頭から離れず、沸々と湧いてくる愛憎の感情でいっぱいになるものです。だからその感情に抗おうとせず、感情のなすがままにしたらいいというニュアンスを含んだ表現です。
まとめ
この曲は、愛する人に裏切られたことを綴った曲でした。「死ぬ暇すらない」とは一体ボンドはどんな状況に置かれるのか、「過去の顔ぶれ」とは誰のことを指すのか、ぜひ映画 『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』 もチェックしてみてください。
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