私には最近まで悩みがありました。
「時間が足りない」という悩みです。
「あれもしたい!」「これもしたい!」という欲はあっても、なかなか自分の思い通りに物事を進められず、時間がいくらあっても足りないと思っていました。
そこで、世に出回っている時間術系の書籍を読み漁り、いろいろと実践してみました。
それでも解決しません。
時間術で時間を思い通りに操るというよりも、時間が足りないと思う根本的な考えをなくしたいと思っていたからです。
そんな悩みをようやく解決してくれたのが、今回ご紹介する『The Power of Now』です。
この本を手に取った人は覚悟したほうがいいかもしれません。
本を読む前のあなたと、読んだ後のあなたでは、全く違う人になっているかもしれません。
私は読んだあと、生き方が変わりました。
読む前と後で人生が変わるほどの本に出会う経験はそうないのですが、この本は私の人生も考え方も変えてくれたのです。
何がきっかけでこの本の存在を知ったのか、はっきりとは覚えていませんが、「時間が足りない!足りない!」と毎日もがきながら生活していたら、引き寄せられたようにAmazonで出会いました。
この本は、これまで読んできた時間術系の本ではなく、スピリチュアルに分類される本です。
でも読んでみると、スピリチュアル的なことだけでなく、生き方や時間についての概念を変えてくれる本でした。
この記事で『The Power of Now』のレビューをお伝えし、生き方や時間との向き合い方に悩んでいる人の参考になればと思います。
この本を読んで知った衝撃
この本を読んで受けた一番の衝撃は「時間は幻であり存在しない」ということ。
過去も未来も思考がつくり出した幻にすぎないということ。
苦しみ・怒り・恨み・後悔は過去に囚われた感情であり、恐れ・期待・不安・緊張は未来に囚われた感情です。
「今」に集中し「今」に生きることで、こういう感情や思考に踊らされることなく生きることができるのです。
時間にも感情にも思考にも支配されていた私は、この本を読んで雷に打たれました。
時間術といった小手先のテクニックではなく、時間の概念を変えてくれる1冊に出会えました。
パワー・オブ・ナウを手に入れるヒント
では、どうやったら「今」だけに集中できるようになるかは、ぜひ本を読んでもらいたいので割愛します。(著作権的に書籍の全文を載せるわけにもいかないので、すみません。)
しかし、それだとせっかく今読んでいる方に申し訳ないので、私が読了後に悟った「今」に集中する方法を2つご紹介します。
1. 今にしか集中できない環境に身を置く
手っ取り早く「今」に集中する方法をお探しの方。
書籍の中で例として出てきたのが、登山やカーレースという、一歩間違ったら命を落としかねない危険なアクティビティです。
私自身、カーレースはやっていませんが、登山なら1年前からやっています。
しかし、「今」という感覚はまだつかめていません。
それはまだ登山に慣れていないからだと思います。
私のような素人の登山家はルート選びや時間を気にしつつ山に登っています。
しかし、たまに出会う登山家の中には、時計も見ずに休憩もせずに一心不乱に登っている玄人登山家がいます。
そういう人は、「今」に集中しているのだと思います。
「登山もカーレースもやらない」という方。もっと手軽な方法があります。
極限まで息を止めてみてください。酸素が脳や体全体に行き届かなくなると、ほかのことは考えられなくなります。
※窒息されませんよう、十分ご注意ください。
2. 子どもになってみる
この本を読んだとき、ジャネーの法則が浮かびました。
ジャネー法則とは、子どもの時ほど体感時間が長く感じ、歳をとるほど短く感じる法則のことです。
ある程度歳をとって自分を見つめ直すと、将来のことを考えて不安に感じたり、過去の恥ずかしい経験を思い出したりしませんか?
もう少し日常にフォーカスをあてると、「今月、家賃払えるかな?」とか「今の仕事してていいのかな?」とか「今日仕事でとんでもない失敗をしてしまった」とか、大人になると思考が過去にも未来にも揺さぶられます。
でも、子どもは違います。
子どもや赤ちゃんにまで遡ると、見るもの・嗅ぐもの・触るもの・聴くもの・食べるもの、すべてが初めての体験で、それを全身で五感でもって味わっています。
過去も未来も考えずに「今」を楽しみ、時間に囚われずに「今」を生きているのが赤ちゃんや子どもです。
子どもは「今」に集中しているからこそ、大人よりも時間の感覚が長く感じるのではないかと思いました。
子どもの時の感覚を思い出すことで、「今」に集中し、時間を超越することができると私は思います。
「でも、今さら子どもの感覚を取り戻すなんて無理。子どもと違って、自立した大人は家計のやりくりや将来のことなど、考えないといけないことがたくさん」この気持ちも分かります。
でも、たった一瞬でも1秒でもいいので、過去の知識や経験の蓄積がなく、将来のことも1ミリも考えていなかったあの頃、まるで赤ちゃんや子どものときのようなまっさらな感覚を思い出してみてください。
思い出せない人は、幼い頃の自分の写真を見るのも1つの手だと思います。
過去も未来も時間も存在しない、「今」という感覚はすでに子どもの時に体験しているはずです。
思考や感情に支配され「今」以外の時間軸を生きそうになった時、私は上の2つの方法を試して「今」に軌道を戻しています。
「今」に集中する感覚がよく分からないという人やもっと詳しくパワー・オブ・ナウを知りたい方は、ぜひ書籍を手に取ってみてください。
日本語版はある?!
タイトルは違いますが、『The Power of Now』の日本語版書籍はあります。
しかし、この本の特徴は『The Power of Now』の全文をそのまま翻訳したものではないということ。
Amazonレビューにも書いてありますが、原著と違っている部分があるようですので、少しでも英語が理解できる方は原著の購入をおすすめします。
英語のレベルについてですが、高校生レベルの英語力があれば読める難易度です。
特に難解な単語や文法が使われているわけではないので、比較的読みやすい洋書です。
さいごに
1997年に初版が発行された本書ですが、話が古いということは全くありません。
古すぎるどころか、時代の先を行っているような、忙しい現代人にオススメの名著です。
時間との向き合い方や、生き方や考え方を根本的に変えたい人はぜひ読んでみてください。
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