関係副詞whereの先行詞は”場所”とは限らない

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『関係副詞「where」の先行詞は、「場所」を表す語が用いられる』

学校でそう習った方も多いのではないかと思います。

しかし、教科書の範囲を超え、ネイティブの人たちが使う生の英語に触れるにつれ、学校の覚え方に当てはまらない表現に数多くぶち当たります。

たとえば、時を表す先行詞「time」に対しては、関係副詞「when」を使うと教科書には書いてありますよね(the time when~)。

しかし、「when」ではなく「where」が使われている例を見かけます(the time where~)。

このように杓子定規な考え方で英語を覚えていると実践でつまづく関係副詞「where」について、今回は掘り下げます。

【初級編】学校で習う基本的な使い方をおさらい

まずは、学校で習ったことをおさらいしましょう。

「場所」を表す語句を先行詞にする

This is the room where Mozart practiced the piano.
(ここはモーツァルトがピアノを練習した部屋です)

ジーニアス英和大辞典
構造

This is the room. + Mozart practiced the piano in the room.
⇒ This is the room in which Mozart practiced the piano.
⇒ This is the room where Mozart practiced the piano.

場所を表す語、the room(部屋)を先行詞にした例文です。

教科書には、他にも「the place, town, house, restaurant, hospital, store…」など、場所が先行詞の例文が数多く挙げられています。

関係副詞を理解するうえで大事なことは、前置詞+関係代名詞(例文の場合:in which)を一語で表したものが関係副詞(例文の場合:where)だということです。

この考えは、のちの【上級編】で大事になってくる考え方なので、お忘れの方は心に留めておいてくださいね。

【中級編】教科書にちょっと載っている”場所”以外の先行詞

【初級編】でご紹介した物理的な意味での純粋な「場所」の概念から転じて、【中級編】では「局面・時代・状況」といった、抽象的な意味での場所、つまり場面/空間を表す先行詞にもwhereが用いられる例をご紹介します。

caseが先行詞

There are cases where(= in which) no treatment can be of any avail.
どんな治療もまったく効き目のない症例もある

ジーニアス英和大辞典

ageが先行詞

We live in an age where(=in which) traveler’s checks and credit cards are the norms for most international travelers.
今やトラベラーズチェックやクレジットカードがたいていの国際旅行者の規範となっているご時世である

ジーニアス英和大辞典

pointが先行詞

That is the point where(=at which) you are mistaken.
そこが君の間違っている点だ

英文法解説
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situationが先行詞

I was in a situation where(=in which) I didn’t have cash handy.
手元に現金がない状況でした

Cambridge Dictionary

こちらで取り上げた「case, age, point, situation」は、教科書や辞書の隅っこのほうに載っているので、ご存じの方もいらっしゃるかもしれません。

【上級編】では、教科書に載っていないような、意外な語句がwhereの先行詞に使われている一例をご紹介します。

【上級編】「where」の先行詞の幅広さ

【中級編】の冒頭で、抽象的な意味合いでの「場所」、つまり、空間を意識した先行詞にもwhereが用いられると書きました。

この上級編では、私が出会ってきた英文の中で、驚いた実例をご紹介します。

shapeが先行詞

IQ scores now fall into a bell curve mainly bucause that is where the original English and American psychometricians thought they should fall.
知能テストの得点が今や釣鐘曲線になるのは、主として、それ[釣鐘曲線]が知能テストの得点分布の理想であると最初の英米の計量心理学者が考えた形だからである

TopGrade難関大突破英文読解問題精選
構造

That is the shape. + The original English and American psychometricians thought they should fall into the shape.
⇒ That is the shape which the original English and American psychometricians thought they should fall into. [shapeを先行詞にwhichで2文を1文にした形]
⇒ That is where the original English and American psychometricians thought they should fall. [whichとintoがwhereに置き換わり、先行詞the shapeが省略された形]

元の文の2文目、”they should fall into the shape.”のところは、「IQスコアがその釣鐘曲線の形(という空間)の中に収まる」と考えれば、なぜ関係副詞whereが使われているのか合点がいくかと思います。

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gameが先行詞

play a game where one doesn’t know how it is scored
どう得点が付けられているのか知らない[分からない]競技[勝負・ゲーム]をする[に参加する]

英辞郎
構造

Play a game. + One doen’t know how it is scored in the game.
⇒ Play a game in which one doen’t know how it is scored.
⇒ Play a game where one doen’t know how it is scored.

whereをin whichに置き換え、「競技(勝負・ゲーム)という空間/枠組みの中で、どう得点が付けられているのか」と考えれば、物理的な場所でないgameがwhereの先行詞になっているのも理解できます。

時を表す語(timeやdays)が先行詞

Big wigs went back “to the days where in court, lawyers and the judge would have big wigs.”
大きなかつらは、「法廷で、弁護士と裁判官が大きなかつらをつけていた時代にまでさかのぼります」.

michigan radio

この文は、ミシガン大学で英語学部を教えている教授がラジオで発言した内容を引用しています。

このラジオを聴いていたリスナーは、「”the days where”ではなく、正しくは”the days when”ではないか?」と教授に投げかけていました。

冒頭でもお伝えしましたが、通常、dayやtimeといった「時」を表す語句に対しては「when」が使われますよね。学校でそう習います。

教授はその指摘を認めつつも、「時」を表す語のあとにwhereが使われる理由について、こう述べています。

「我々が時間について話すときのことを考えてみると、時間を空間的に話しています。時間を進めたり、戻したり、一歩ずつ進んだり…それは一種の場所です」と。

ここで思い出してもらいたいのが、【中級編】で登場したageです。

ageは日本語で「時代」、daysも文脈によっては「時代」と訳される単語です。例文で引用した箇所も、daysを「時代」と訳しました。

そして、timeも同様です。timeも文脈次第で「時代」と訳します。

「時代」とは、「ある目安によって継続している時間をひとまとめに区切った期間」のことです。

空間的な広がりを感じることばと言えるのかもしれません。

このように「時」を表す単語であっても、「時代」と訳す場合「時」を空間的に一種の「場所」として捉えている場合、関係副詞whereが使われるのでしょう。

ただ、この≪「時」を表す語+where≫の表現について、一つ注意しなくてはいけないことがあります。

教授は、「文書では必ず”time when”が使われ、スピーチでは”days where”も使われている」と述べています。

外国版yahoo知恵袋的サイト『Quora』にも、「”the time where”は話し言葉のみで見られるインフォーマルな口語表現だ」と回答があります。

ですので正しい表記は、教科書どおり、「時」を表す語句については”when”を用いるのが正解となります。
※試験の穴埋め問題でthe time ()~という問題が出題されたときは、間違えてwhereとしないようにご注意ください。

試験英語と実際にネイティブが使っている言葉との差を楽しんでいただけたら、幸いです。

まとめ

  • 【前置詞+関係代名詞】が前提にあって、それを一語で表すときに【関係副詞】を用いる
  • ≪whereの先行詞は「場所」を表す語≫といった考え方は、応用でつまづくので注意が必要
  • 物理的な場所に限らず、空間が意識される語句にもwhereの先行詞となり得る
  • timeやdaysといった「時」を表す語にも、whenではなくwhereが使われている場合がある
    ⇒「時代」と訳される場合や、話者が「時」を空間的に一種の「場所」として捉えている場合
    ⇒※ただし、口語的でインフォーマルな表現なので、注意が必要

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