【違いがわかりやすい】『aとtheの底力』|レビュー

◎当サイトはアフィリエイト広告を利用しています

書籍
この記事は約4分で読めます。

この場合はa。この場合はthe。そう機械的に覚えていると、思わぬ落とし穴にはまります。

日本語にはない冠詞の感覚を、ネイティブ並みに習得できないものかと悩んでいたところ、津守公太さん著『aとtheの底力 冠詞で見えるネイティブスピーカーの世界』に出会いました。

2008年に出版された本。存在は知りつつも、冠詞よりもっと大事なものがあるだろうと斜に構えて、文法や英単語、長文読解ばかりに力点を置いていたら、大間違い。もっと早く読んでたらよかったと後悔したので、英語を学習中の方向けに紹介したいと思います。

冠詞の付け方ひとつで、話者が何を頭で考え、どういうものの捉え方をしているのか、この本で分かります。

本に出てきた表現を拝借すると、冠詞は「方向性を決める大事な矢印」なのです。

どういう本なのか、どんな人が読むのに適しているのか、この記事で取り上げたいと思います。

書籍の概要

aとtheの底力 — 冠詞で見えるネイティブスピーカーの世界
著者:津守 光太
発売日:2008年12月1日
本の長さ:207ページ
出版社:プレイス(Jbooks)

英語の「冠詞」と「無冠詞」の伝えるメッセージが
聞こえていないあなた(=ほとんどの英語学習者)に捧げます!
「なんとなく」ではない文章を話す・書くとき、きちんと英文を読むときには、
絶対に冠詞が必要なのです。
モノ、カタチ、リンカク — 本書の3つのキーワードで、
あなたもネイティブ並みに冠詞が使える「考え方」が身につきます。
辞典・文法書に書いてある説明の本当の意味がわかる本。

Amazon.com

本をつまみ食いすると…

・a/anの使い方
同じ種類のものがいくつも複数あるうちの、1つ。「カタチ」と「リンカク」があるものが1つ。

・theの使い方
話し手同士が了解している特定の「モノ」。他の「モノ」と区別する機能がある。

「おいおい、そんな基本的なことは知ってるんだ。もっとふんぞり返るような目から鱗の情報はないのかね?」あなたはそう思うかもしれません。

そのとおりです。これは、まだほんの上澄みにすぎません。

冠詞はa/anとtheの2種類だけではないと著者は言います。

冠詞が付かない無冠詞/ゼロ冠詞も冠詞に分類されます。

この本では、aとtheの違いのみならず、 無冠詞/ゼロ冠詞の特徴と違いにも触れ、それぞれの違いや使い方、根本的な考え方を説明しているのです。

【問題付き】読んでもらいたい対象者は?

この本は、aとthe、無冠詞の違いと使い方が分からない人にオススメです!

こういった謳い文句だとあまりに抽象的で薄っぺらいので、具体的にどんなことがこの本で分かるのかクイズを出したいと思います。

もし、すべての問いに答えることができれば、すでに冠詞の使い方をマスターしている方だと思います。

もし、自信をもって答えることができなければ、下の問題の答えは全て本の中でわかりやすく解説されているため、本を読んでみてください。

あなたが冠詞マスターかどうか、腕試しにご活用ください。

chickenとa chickenの違いは?

【質問①】以下の2文の意味の違いを説明せよ。
I like chicken.
I like a chicken.

学校(school)や食事(breakfast…)に冠詞が付かない理由は?

【質問②】 なぜ以下の表現の名詞の後には冠詞が付かないのか、説明せよ。

・go to school/bed
・have breakfast/lunch/supper

ひと休み(a break)やひと押し(a push)は日本語同様、数えられる?

【質問③】一見、数えられないような名詞(break,nap,push)に、冠詞を付けることができる理由を述べよ。

例) have a break/take a nap/give a pushなど

theが付く橋とtheが付かない橋の違いは?

【質問④】橋の名前について、theの付くものと無冠詞のものがある。ニュアンスの違いを答えよ。

例) London Bridge(ロンドン橋は無冠詞)/ the Golden Gate Bridge (金門橋〈ゴールデン・ゲート・ブリッジ〉はtheを付ける)

the⇔a⇔ゼロ冠詞でどれほどニュアンスが違う?

【質問⑤】「ライオンは百獣の王だ」を英訳した以下の文で、それぞれのニュアンスの違いを答えよ。

The lion is the king of beasts.
A lion is the king of beasts.
Lions are the king of beasts.

最後に

この本を読んでから、冠詞に敏感になりました。

これまで、時におざなりに扱い、時に無視して英文を読んできましたが、もうぞんざいに扱っていい存在ではないことに気づきました。

いまでは冠詞が出てくるたびに、「筆者はこのニュアンスで、この冠詞を使っているのね」と書き手の意図をくみ取ることができます。

英語力の向上において、冠詞をマスターすることは避けて通れません。

私のように、冠詞を蔑ろにして英文を読み書きしている人はぜひ一読してみてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました