今回ご紹介する曲は、ロードの「Tennis Court」です。
「テニスコート」の曲と聞いて、一体どんな内容の曲だと想像しますか?
なぜ「テニス」という行為ではなく、「テニスコート」という場所にフォーカスしているのでしょうか?
どうやらロードにとって「テニスコート」は特別な場所のようです。
「テニスコート」が何を意味するのかの解説と歌詞に出てくる英語表現を紹介します。
英語表現と独自の解釈をご紹介
【英語表現】make smart withとは?
「偉そうなことを言う」
本来は”make”ではなく”get smart with“として使います。
知名度が上がることで、世間からあることないことを噂されていることについてのロードの素直な反応が歌詞に表れています。
例) Don’t get smart with me.
(生意気なことを言わないで)
【英語表現】killin’ itとは?
「最高を味わう」
「マジ最高」「クールに決める」「席巻する」といった意味のスラングです。
例) You’re killin’ it!
(あなたってマジ最高!)
【解釈その1】「お調子者」と「美人コンテストの優勝者」の共通点は?
歌詞のコーラスに、「お調子者」と「涙を流す美人コンテストの優勝者」が出てきます。
その共通点は何でしょうか?
お調子者とはいい加減に調子を合わせる人のことですよね。
美人コンテストとは基本的に外見の美しさを競うコンテストのことです。
そこで優勝して涙を流す行為は、お決まりの型にはまったパターンですよね。
共通点はどちらもうわべだけということです。
「周りがお調子者なら、それに相対するように自分もうわべの人間を演じるから」というロードの意思がうかがえました。
恐怖を感じるときでも、笑顔でやり過ごさなくてはならないときって、ロードに限らず全ての人に当てはまる瞬間があると思います。
【解釈その2】テニスコートは何の隠喩?
テニスコートは故郷を意味しているとロードは言います。
地元の友だちと気楽に話せて、自分を着飾る必要のない場所。
辛くなったら帰りたいと思える場所のことです。
上京して地元から離れて暮らしている人にとっては共感できる歌詞だと思います。
ロードにとってはテニスコートでしたが、私にとっては地元に帰れば必ず友だちと行くカラオケボックスです。
あなたにとってのテニスコートはどこですか?
【解釈その3】あのアーティストの、あの曲名が入っている?!
歌詞には、2人のアーティストの曲名が入っています。
それは、「wicked games」と「up in the flames」。
「wicked games」はロードの好きなザ・ウィークエンドのデビューシングルの曲名。ドラッグやセックスや悪ふざけについて書かれている曲です。
一方の「up in the flames」はニッキー・ミナージュの曲名。キャリアの成功について書かれています。
地元の友だちとふざけ合って過ごすことと、音楽業界で成功することは対極にあります。
その対極にある曲として、2つの曲を歌詞に入れ込んだのではないかと思います。
テニスボールのようにロードの感情が行ったり来たりと揺らいでいる状況がうかがえます。
この曲はこんな人にオススメ
孤独を感じている人に聴いてもらいたい1曲です。
ロードはこの曲を書くにあたって、写真家グレゴリー・クレウドソンの作品から影響を受けたと言っています。
彼の作品は孤独やヒューマンライフについての作品が多いので、彼の作品を画像検索してから曲を聴いてみるのもオススメです。
まとめ
有名になっていくことで起きる心の葛藤と、望郷の念について書かれた「Tennis Court」。
うわべを取り繕う場所と、素直に本音を言える場所。
社会に出ると、その場その場を取り繕う機会が増えてきますが、年齢を重ねても、本音で語り合える場所を1つでも確保しておきたいものです。
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