英語好きにオススメ『知的な英語ネイティブが日常会話で使う表現』参考書レビュー

英検やTOEICなどの試験対策用の単語帳ではなく、ネイティブが自然に使う表現をまとめた本があればいいのに…その願望を満たす書籍を見つけました。

この記事では、2025年7月25日に発売された『知的な英語ネイティブが日常会話で使う表現』のレビューを書いていきます。

この本のココがすごい！

この本の一番の魅力は、大人が使って恥ずかしくない英語表現を学ぶことができます。

恥ずかしくない英語とは、フォーマルな場面で使うビジネス英語とは違います。

フォーマル過ぎず、でもカジュアル過ぎない英語表現が詰まっているのが、本書の特長です。

ビジネス英語に特化した参考書やスラングに特化した参考書は、これまでに数多く出版されてきました。

しかし、ビジネスでも日常会話でも通用する「ほど良い」英語表現集はなかなかありません。

しかも、ただ「ほど良い」だけでなく、センスや教養を感じられる表現が詰まっているところがミソです。

言葉の端に知性を感じられる人は、魅力的な人です。

知識をひけらかすでもなく、資格や学歴を自慢するでもなく、肩書を振りかざすでもなく。

ただ自分の口から出す言葉を紡いで話せる人は、誰よりも人を惹きつける力があると私は思います。

それは、日本語に限らず英語でも同じ。

ふだん自分が使うボキャブラリーは、ある程度決まっているものです。

その語彙の範囲の中にいても、誰とでもコミュニケーションは取れるし、生活するうえでは困らない。

しかし、語彙の幅が広がれば、自分の感情や考えをより豊かに、より正確に伝えることができます。

それによって相手が受け取る印象も大きく変わるでしょう。

この本から学んだ表現を1つだけ引用させていただいて、この本の魅力を別の角度から見てみましょう。

get the violin out「かわいそうに（でも大したことないでしょ）」

『知的な英語ネイティブが日常会話で使う表現』

「get the violin out」を文字どおりに直訳すると「バイオリンを取り出す」です。

このフレーズに「かわいそうに」という意味があったとは知りませんでした。

現にgoogleで検索しても日本語で解説している記事はなく、英語のサイトにアクセスするかXで日頃から英語を使っていないと知る術はありません。

「get the violin out」は、悲しい場面でそれを演出するかのようにバイオリンが演奏されることから、皮肉を込めて「かわいそうに」と言いたい場合に使われる表現です。

例文：He wanted everyone to feel sorry for him, so people were like, “Get the violin out.”
（彼はみんなに同情してほしかったので、みんなは「はいはい、かわいそうだね」って感じだった。）

この表現を知るまで、皮肉やからかいを含んで「かわいそうだね」と英語で表現したい時は、表情や声のトーンで誤魔化していましたが、この本のおかげでその必要がなくなりました。

このように日常のよくあるちょっとしたニュアンスも、使える語彙を増やすことで自然に伝えられるようになります。

この本はこんな方にオススメ

「いろんな英語表現を学びたい」と思っている方にオススメしたい一冊です。

英語上級者向けの参考書に思われるかもしれませんが、無類の英語好きであれば楽しく読み進められます。

英語の解説部分には、言葉のニュアンス・語源・類義語・その他の例文などが書かれているので、わざわざ自分で語源などを調べたりせずに本の中だけで勉強を完結させることができるからです。

試験用でもなく、受験用でもなく、自分が日常で使う英語表現を増やしたい人のための参考書です。

さいごに

音声は「abceed」というアプリを使って聞くことができます。

音声は無料で聴くことができるので、少しでも気になった方は試しに聴いてみて、どれくらい知らない表現に出会うか腕試ししてみるのもいいかもしれません。

また、Amazonにも数ページ分がアップされているので、どんな表現が載っているか、どういう解説がされているかなどを読んでみて、購入するかどうかの参考にしてみてください。