【オススメの参考書】『例解 和文英訳教本 (文法矯正編)』レビュー

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例解 和文英訳教本 文法矯正編 書籍
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英文法を正しく理解できているかどうかを測るには、どうしたらいいと思いますか?

TOEICや入試などの文法問題を解いて、英語力を試す方がいらっしゃるかもしれません。

そのような一般的な試験では、よく穴埋め問題が出題されますよね。

しかし、それだと選択肢の中から適切なものを選ぶといった類のものが多く、それぞれの文法項目が持つニュアンスまで正しく理解して使い分けているかを穴埋め問題で測るのには限界があります。

そこで登場するのが、英作文です。

英作文では、ごまかしがききません。

文法を知っているだけではダメで、文法を道具として自由自在に操れないと英作文に太刀打ちできないからです。

これは、家電製品の説明書を一から十まですべて熟読して暗記しても、その家電を実際に使いこなせなければ意味がないのと一緒です。

教科書や文法書を最初から最後まで丸暗記すればOKなのではなく、実際に使いこなせて初めて英文法のできる人なのです。

つまり、英作文ができる人=文法を理解している人と言ってもいいかもしれません。

そこで出会ったのが、今回ご紹介する小倉弘さん著の「例解 和文英訳教本 (文法矯正編)」です。

ふつうの参考書だと1時間ほど読み進めば集中力が続かず息切れしてしまう私ですが、この参考書は違いました。

ページをめくる度に「こんなこと、学校で習わなかった!」「へえー!文法はこうやって使い分けるのか!」と新しい発見や気付きの連続で、参考書を読む手が止まらなかったからです。

初めて読んだとき、英語の知識や教養がつくだけでなく、読み物としてもおもしろかったのを覚えています。

ですので、英語好きな方はもちろんのこと、英語に苦手意識がある方にもオススメの一冊です。

この参考書をまだ読んだことのない人のために、どういう本なのかをご紹介します。

書籍の概要

タイトル:例解 和文英訳教本 (文法矯正編) –英文表現力を豊かにする
著者:小倉弘
発売日:2010年7月1日
出版社:プレイス

こんなあなたに本書をおすすめします
→ 英作文の基本を学びたい人
→ 実践的英文法を学びたい人
→ 学校文法はできても英作文は苦手だという人
→ 中・高校時代とは違った角度から英文法を見直したい人
→ 和文英訳を通して英語的センスを身につけたい人
→ 英語教師志望の人、すでに教壇で英語を教えている人

例解 和文英訳教本 (文法矯正編)

【差別化】この本が他の参考書と違うところ

この本の魅力は、ネイティブがどのように文法や単語を使い分けるのかといった英語の感覚や英語のニュアンスなど、学校では教えてくれないような言語化しにくいところを網羅しているところにあります。

学校で習う英語は、語学力の土台となり、非常に重要な要素を含んではいるのですが、実用的で生きた英語かと問われれば、試験のための英語という枠からは抜け出せていない感じが否めません。

しかし、この参考書は試験のための英語という枠もしっかりカバーしつつ、さらにその枠を飛び越えて生涯にわたって使える実践的な英語も学べるのです。

文法の持つニュアンスや感覚という説明だけでは抽象的なので、実際に1つ具体例を挙げます。

時制の問題です。「私は~と考えます」「私は~と考えています」をあなたならどう英訳しますか?

前者は「考えます」という現在形なので“I think“、後者は「考えています」という現在進行形なので“I am thinking“ではないか…?

そのように考えた方はいらっしゃいますか?

もし、このようにまず日本語から考え、それに符合する時制を当てはめた方がいらっしゃいましたら、ぜひこの本を一読することを強くおすすめします。

詳しい解説は、ぜひ本を読んでいただきたいので割愛しますが、それぞれの文法の持つニュアンスから考え、英作文する必要があります。

先ほどのthinkの例題に戻ると、「現在形(I think)」は、「半永久的な思考→日頃からの自分の意見を述べる時」に使い、「現在進行形(I am thinking)」は「一時的な思考について述べる時」に使うと書かれています。

たとえば「地球温暖化は、深刻な問題だと考えています」「明日、銀行に行こうかと考えています」という文を英訳する場合、どちらも文末が「考えています」なので、英訳はどちらも”I am thinking~”と考えるのではなく、前者は日ごろから持っている自分の意見を述べている文なので”I think~”、後者は突発的な思考を述べている文なので”I am thinking~”がふさわしいということになります。

このように、文法の持つニュアンスや感覚を理解していないと、正しく英訳できません。

この本では、そういう点も詳しく解説してくれています。

ちなみに、この本でこのthinkについて解説している箇所は「時制」の章のごくごく一部分にすぎません。

ページ数でいうと、1ページにも満たない部分です。

この本は、そのほかの「時制」も含めて、「助動詞」・「準動詞」・「冠詞」・「文体」・「対比」・「比較」について約300ページにわたって解説されています。

ボリュームが多いように感じるかもしれませんが、需要なポイントをまとめているところもあるので、サクサクと読み進められます。

さらに「和文英訳」というタイトルが付いていることから、ライティングに特化した参考書だと思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、そうではありません。

この本に書かれている内容は、ライティングのみならずリスニング・リーディング・スピーキングにも通じるところがあります。

英作文に力点を置いてはいますが、英作文するという行為はあくまで工程に過ぎず、英作文を通して文法をしっかりと理解し自分のものにするための本なのです。

【レベル】初級者から上級者まで

中学校で習う基本的な英文法の知識がある方でしたら、問題なく通読できる参考書だと思います。

また「現在完了」や「冠詞」など、多くの日本人が躓きやすく学生の頃の教科書を引っ張り出したくなる項目については、とりわけ丁寧に解説されているので、基本的な知識さえ押さえておけば読み進められるかと思います。

英語上級者であれば、文法を自在に使いこなしながら例題の和文を英訳し、英語力に磨きをかける一冊としてオススメです。

さいごに

私は、この本が発売されてから5年ほど経ってから購入したのですが、もっと早くに出会っておきたかったと思いました。

購入後、すでに通読を3回していますが、1ページ1ページの内容が濃くて無駄がないため、この本の知識や気付きを忘れないためにも、今後も定期的に読み直す予定です。

この本のタイトルは「和文英訳」と書いてありますが、ビジネスや試験で英文を書く機会のない方でも、英文法書として活用できます。

英文法を自分のものにして使いこなしたい方は、ぜひ手に取って読んでみてください。

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